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少女勇者「脱ぎたぁいのおおおお」魔王「」

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1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:51:05.93 ID:ls2ISIZy0
魔王「よく此処まで辿り着いたな、勇者よ」

勇者「よし……勝負だ、まおぅ…………」

勇者「脱ぎたぁいのおおおお」

魔王「」

勇者「やだ、やだ、どうして!? 脱ぎたいの!」

勇者「ねえチャーム使った!?」ヌギヌギ

魔王「そのようなことをした覚えはない」

勇者「そうだよね! 魔法かけてる素振りなかったもん!」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:52:21.67 ID:ls2ISIZy0
勇者「やだよぉ恥ずかしいのに脱ぎたあいよおおお」ヌギヌギ

魔王「……」

勇者「やだ、見られたくないのに…………」

勇者「魔王に見られたいのおおお」

勇者「僕おかしくなっちゃったの!?」ハアハア

側近「魔王様、勇者が到着したとの報告があったのですg」

側近「……貴方は勇者に一体何をさせているのです」

魔王「いや待て誤解だ。俺にも一体何が起こっているのか全く分からん」

側近「悪い大人が幼い少女を半裸にさせて泣かせているようにしか見えませんが」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:53:26.35 ID:ls2ISIZy0
勇者「違うの、僕が、僕の身体が勝手に脱ぎ始めちゃったの」

側近「……本当ですか?」

魔王「だから誤解だと」

勇者「ひくっひくぅっ……僕一体どうしちゃったの」ヌギヌギ

側近「ほら、ちゃんと服着てください」パサッ

勇者「うぅ…………」グスッ

側近「揉め事が起きた時、手っ取り早くどちらかが諦めるように施された魔王と勇者の戦いの儀式ですが」

側近「これでは実行できませんねえ」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:54:20.65 ID:ls2ISIZy0
勇者「どうしよ……身体が熱いの」

勇者「僕こんな子じゃないのに……」

側近「ちょっと別室で落ち着きましょうか」

勇者「魔王以外の人には身体見られたくない……」

側近「魔王様は別行動していただけます?」

側近「貴方がいらっしゃると勇者の調子が悪くなるそうなので」

魔王「…………」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:55:11.19 ID:ls2ISIZy0
勇者「あれ? 魔王がいなくなったら普通に戻った」

側近「冷静になりましたか」

勇者「うあぁ……僕どうしてあんなことを…………」

側近「一体何が起こったのですか」

勇者「魔王を見たら、突然……ふ、服を脱ぎたくなって」

勇者「気がついたら上半身……裸で…………」

勇者「は、はつ、発情するって……こういうことなのでしょうか」

勇者「うそだ……僕そんな変な子じゃない!」

勇者「よく……委員長よりまじめでうざいって言われてるのに……」

側近「……不思議ですねえ」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:55:53.33 ID:ls2ISIZy0
勇者(でもまだ胸は少しドクドク鳴ってる……)

勇者(やだこれ……)

側近「魔王様があのタイミングで魅了魔法使うとは到底考えられませんし……」

勇者「どうしよ……王様と国の皆の期待を背負ってるのにこれじゃまともに戦えない」

側近「まあ今回の魔族と人間の問題の解決はそこまで急ぎませんし、」

側近「しばらく様子を見ましょうか」

勇者「ごめんなさい……」

側近「魔族と人間の間に問題が発生した場合、談合による解決が見込めない場合は」

側近「魔王と勇者が戦い、敗北した側は勝利した側の要求を呑む」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:57:21.62 ID:ls2ISIZy0
側近「最も犠牲が少ないであろう、難題の対処方法ではありますが」

側近「このような状態で勝利したくはありません」

勇者「うぅ……ご迷惑をおかけして本当にごめんなさい」

魔王「おい、勇者はどうなっている」コンコン

勇者「っ!?」

側近「戦える状態ではありません。儀式はしばらく見送りましょう」

魔王「勇者の行動の原因は分かったのか」ガチャ

勇者「まおおぉぉぉお」ガバッ

魔王「!?」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:57:54.81 ID:ls2ISIZy0
魔王「だ、抱き付くな」

勇者「はあはあはあはあ」スリスリ

魔王「っ…………」

側近「魔王様、お顔が赤いですよ。まさか、10代前半の少女にこうh……」

魔王「早くこいつを引き剥がせっ」

側近「はいはい」

勇者「あうっ」

魔王「全く……何故今回の勇者はこのような行動を取るのだ」

側近「原因はまだ不明です」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:58:49.55 ID:ls2ISIZy0
勇者「まお……まおぉ…………」

魔王「…………」

勇者「まおー……………………」ウルウル

側近「もうしばらくどっか行っててください」

魔王「……そうするぞ」バタン

勇者「はっ、僕は一体……」

側近「魔王様の気配が消えたら正気に戻る、と」

勇者「い、今さっき、完全に理性吹っ飛んでた……」

勇者「やだ……やだよぉ…………」

勇者(……最高に恥ずかしい……)

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 20:59:32.38 ID:ls2ISIZy0
勇者(絶対に変な子だって思われてる……)

勇者(魔王を見ると、魔王以外のこと考えられなくなって)

勇者(夢中になっちゃう…………)

勇者「ぅぅ…………」

勇者(何で……どうして……)

側近「まるで恋する乙女みたいですね」

勇者「えぇっ!?」

側近(やっていることは変態ですけど)

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:00:26.62 ID:ls2ISIZy0
勇者(恋……? 恋って何それ美味しいの!? そんなのとは無縁な生活だったし……)

勇者(恋=発情するってことなの?)

勇者(わかんない…………)

勇者(けど、会ったばっかりなのに……魔王が……恋しい)

勇者(でも確実に変な子だって思われてる……! 思われてないはずがない!)

勇者「うあぁぁぁぁぁ暴れたい」ゴロゴロバタバタ

側近(発情の仕方はサキュバスに近いが……淫魔特有のフェロモンは発生していない)

側近(そもそも勇者は人間のはず……)

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:01:01.63 ID:ls2ISIZy0
魔王(全く……あの勇者は一体何なのだ)

魔王(先天性の痴女か?)

魔王(一瞬でも彼奴を可愛いと思ってしまった自分が情けない)

魔王「……………………」

魔王(抱き付かれた部分が……熱い)

魔王(阿呆が)

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:01:48.61 ID:ls2ISIZy0
勇者「どうしてこうなっちゃったんだろ……」

勇者「何であんな行動に走っちゃうん、だろ……!」グスッ

勇者「こんなんじゃ、勇者としての責任も果たせないよ……」

勇者「うぅっ……ぐすっ…………うわあぁぁぁん」

勇者「えぐっ…………えぐぅっ…………」

 

魔王「…………」

魔王(俺が傍にいない時は普通の人間なのか…………)

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:02:35.08 ID:ls2ISIZy0
…………
……

側近「城内でも散歩します?」

勇者「あ、ちょっと見て回りたいです。こちらの文化にも興味があるので」

勇者「装飾見事ですよねー」

魔騎士「閣下、少々来ていただきたいのですが」

側近「……お一人で大丈夫ですか?」

勇者「多分大丈夫です」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:03:10.90 ID:ls2ISIZy0
勇者(とは言ったものの、ここまで広いと帰り道忘れそう)

勇者(彫刻や他の装飾も、豪華且つしつこ過ぎない。ほんと綺麗だなー)

勇者(いっそのこと永住したい)

勇者「あ」

魔王「っ……」

勇者「まおおおおおお」ガシッ

魔王(思わず遭遇してしまった)

勇者「はあはあまおぉぉ」スリスリ

魔王「…………」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:03:51.25 ID:ls2ISIZy0
勇者「やだ……止まって……こんなことしたくないのにいぃぃぃ」スリスリスリスリ

勇者「か、らだ、が、かってにぃ」スリスリスリスリ

魔王「…………」

魔王(……これはどう対処すべきなのだろうか)

勇者「ま、ぉ…………」

勇者「………………ぇき」

勇者「まおーのせーえきほしい」

魔王「」

勇者「や、やだっせーえきってなに?」

勇者「わけわかんないのに言いたくなったのおお」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:05:34.98 ID:ls2ISIZy0
勇者「魔王、僕をめちゃくちゃにしてええええ」

魔王「」

勇者「いみわかんないのにくちがかってにいいいいい」ブワッ

魔王(まるで淫魔だな…………)

勇者「まおおぉぉ…………」スリスリ

魔王「ぅ…………」ビク

勇者「まおう?」

魔王「……牛乳でも飲んでいろ」バッ

魔王(逃げる)ダッ

勇者「まおーまって、おいてかないで!」

魔王(反応しかけた…………)

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:06:40.27 ID:ls2ISIZy0
…………
……

勇者「この汚れはこの洗剤使うと簡単に落ちるよ」

召使「あら本当」

勇者「お料理手伝います!」

調理師「すっ、すごい」

勇者「家事は得意です」

魔王「……何をしている」

勇者「!? まおおおおおお」ガバッ

魔王「…………」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:07:20.15 ID:RuDmuZDp0
魔王学習しねぇな

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:08:04.89 ID:ls2ISIZy0
勇者「あのねえあのねえ、僕今まともに戦えなくて皆に迷惑かけちゃってるからねえ」

勇者「せめて滞在にかかっている税金の分だけでも働こうと思ってえええ」スリスリスリ

魔王「……妙に律儀なんだな」

魔王(変態だが)

勇者「僕ねえきっと良いお嫁さんになるよおおお?」

魔王「よ、嫁……?」

勇者「あれ? 僕何言っちゃってるの!? 僕魔王のお嫁さんになっちゃうの!?」

側近「というかもう他の所には嫁に行けなくないですか」

側近(裸見せてたし)

勇者「ど、どうしよおおおお」

魔王(……逃げるか)

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:09:17.57 ID:ls2ISIZy0
数日後

側近「魔王様を見ては脱衣、しがみ付く等の(変態)行為をここ数日続けたわけですが」

勇者「…………」

側近「このまま変化なしだと少々厄介ですので、私なりにこの現象について検討してみました」

勇者(魔王に会いたいいいぃぃ)

側近「まず、貴女は人間の中では最も強い、という事は真実ですよね?」

勇者「勇者第一候補だった兄にうっかり勝ってしまったので恐らく正しいかと」

側近「人間に、もしくは魔族にでも、対等と言える者はいましたか?」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:10:12.71 ID:ls2ISIZy0
勇者「軽くぼっちでした。強さにおける対等な存在といえば魔王以外には考えられないと思います」

勇者「戦っていないので実際どうなるかはわかりませんが」

側近「という事は、貴女が唯一対等な立場になれるかもしれない魔王様に親近感を覚えることはおかしいことではありません」

側近「しかし、それだけでは発情行為の説明がつかない」

勇者「は、発情……」

側近「家系図を調べた限りでは、貴女は純粋な人間なのですが」

側近「実は淫魔の血が入ってたりなんてことないですか?」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:11:15.19 ID:ls2ISIZy0
勇者「えー…………」

勇者「そういえば、昔おばあちゃんが言ってたような……でも、確かな記憶じゃないし」

格闘家「こいつの父ちゃんの本当の親父インキュバスだってよ」

勇者「や、やっぱり? って」

勇者「わわわわわ4君いつの間に来てたの!?」

側近「この私でさえ気配に気づかないとは……」

格闘家「今さっき来た。戦いの儀式が延期だって聞いたから様子見に」

勇者「数少ない友達が会いに来てくれた!」

格闘家「あまりにもぼっちで痛々しいから憐みで相手してやってるだけだぞ」

勇者「……分かってたけどはっきり言われると傷付く…………」

格闘家の名前=4

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:13:08.91 ID:ls2ISIZy0
婆『勇父、本当は淫魔との子なのよねぇ……』

 

勇者「おばあちゃん、淫魔と浮気したってこと? 誘惑に負けちゃったの?」

格闘家「いや、じいさんと結婚する前にお前の親父産んだらしい。したがって浮気ではない」

勇者「そ、そっかあ……って、他人の事情にどうしてそこまで詳しいの」

格闘家「小さい頃お前のばあちゃんからこっそり聞いた」

勇者「わけがわからないよ」

魔王「おい、勇者以外の人間の気配がしたのだg」ガチャ

勇者「まおおおおおおお」ガバァッ

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:13:41.23 ID:ls2ISIZy0
側近「引き剥がします?」

魔王「……慣れたからもういい」ズリズリ

勇者「ん……まおぉ……」トロォ

格闘家「何この面白い生物」

勇者「わっ! う、うわ、4君もいるのに理性吹っ飛んでたあああ」

側近「珍しく貴方がいるのに正気に還りました」

魔王「…………」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:15:27.80 ID:ls2ISIZy0
側近「体はほとんど人間ですが、淫魔の本能だけが残ったといったところですかね」

勇者(ど、しよっ……魔王に抱きつきたいぃっ…………)ウズウズ

側近「例外もありますが、生命とは基本的に自分より優れた者を伴侶に得たがるものです」

側近「勇者の場合、戦闘に於いて自らより優れている、もしくは同等である可能性のある存在が魔王様しかおらず」

側近「生命の本能と、淫魔の本能が重なった結果あのような行動をしていたのだと思われます」

格闘家「先天的な変態だったんだな」

勇者「う……」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:17:56.95 ID:ls2ISIZy0
勇者「……戦いの儀式を行うには、どうすれば良いの?」

側近「淫魔の本能はなかなか抑えられませんからねえ……」

側近「性欲抑制剤でも飲みますか」

勇者「せ、せい、よく…………」

格闘家「俺等の年齢には刺激が強い単語だな。俺は平気だけど」

側近「というわけで、明日戦いの儀式結構で問題ないでしょうか」

魔王「俺は構わんが」

勇者「…………」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:18:27.82 ID:ls2ISIZy0
夜・魔王の自室

コンコン

魔王「……誰だ」

勇者「ぼ、僕です、勇者です。入っても良いですか」

魔王「…………抱き付かないのならな」

勇者「う……精神安定剤だけは飲んできたので、多分大丈夫だと思います。……保証はないですけれど」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:18:57.61 ID:ls2ISIZy0
ガチャリ

勇者「っ……こんな夜に、ごめんなさい」

魔王「……何の用だ」

勇者「そのっ、あ、明日のことで」

魔王「…………何だ」

勇者「……………………でき、ること、なら、」

勇者「たたかいたく、ないんです……っ…………」ヌギ

魔王「……怖気付いたか?」

勇者「そうじゃ、ないんです」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:19:51.48 ID:ls2ISIZy0
勇者「話し合いとかで、何とかできないのでしょうか」ヌギ

魔王「……それで事が済むなら、疾うの昔に終わっている」

勇者「それは、そうですけど……」ヌギ

勇者「でも、戦いの儀式は、言わば戦争の代わり。どちらかが、もしくは両方が死ぬかもしれない」

勇者「貴方と、殺し合いをしたくは、ないんですっ…………」ヌギ

魔王「……………………」

勇者「ごめんなさい、僕、まだ子供だから、詳しい大人の事情なんて分かっていないのに」

勇者「こんなことを言って、ごめんなさい……」ヌギ

勇者「無責任にも、程がありますよね…………」ヌギ

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:22:15.33 ID:t/oNImDW0
どんどん脱いでるじゃねえかwww

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:22:41.80 ID:ls2ISIZy0
勇者「淫魔の本能の所為で、気に迷いが出来ているのだと思います」ヌギッ

勇者「……いいえ、きっと、淫魔の本能だけじゃない……」ヌギッ

勇者「魔王、僕は…………」ブルブル

魔王「……とりあえず服を着ろ」

勇者「えっ!? や、やだっいつの間に裸にっ……!」

勇者(なんか寒いと思った…………)

魔王「……こっちに来い」

勇者「で、でも」

魔王「良いから近付け」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:23:23.81 ID:ls2ISIZy0
勇者「は、はい」

魔王「…………」ギュゥ

勇者「!?」

魔王「……俺だって、お前と殺し合いたくなどない」

勇者「え…………」

勇者「僕のこと、嫌いじゃないの? 僕、すごく……変な子でしょ?」

魔王「……この数日、お前を遠くから眺めていた。正気のお前も知っている」

勇者「え、そ、そうなの…………?」

魔王「俺が近くにいる時といない時とで豹変するからな。何と面白い生物だと思って観察していた」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:24:08.06 ID:ls2ISIZy0
勇者「……動物扱いなの?」

魔王「…………冗談だ」

勇者「な、何それ!」

勇者(魔王でも冗談言うんだ……)

魔王「……お前はまだ子供だ。大陸に住む人間全員の期待を背負うには小さすぎる」

魔王「重責まで圧し掛かるのならば尚更だ」

勇者「ん…………」

魔王「戦闘能力が高いからと言って、子供一人に全てを背負い込ませること自体が間違っている」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:24:45.30 ID:ls2ISIZy0
勇者「でも、やっぱり勇者に選ばれた以上、責任持って戦わないといけませんよね……」

勇者「戦わないといけないのは理解しているんです。でも、感情が追いつかなくて」

勇者「僕、僕…………」ウル

魔王「…………」ナデナデ

勇者「っう、えぐっ…………」ブワッ

勇者「やだよ……魔王……っ…………戦いたく、ない、よ…………」

勇者「領土を奪う合うことの価値なんて、僕にはわからないよっ…………」

勇者「わかんないよぉ…………」

魔王「……………………」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:26:35.77 ID:ls2ISIZy0
勇者「無能な勇者で、ごめ、んなさい……」

勇者「明日になったら、ちゃんと戦うから…………」

魔王「…………」

勇者「………………からだが、あついです」

勇者「ど、しよっ……からだがあついのお」

魔王「……薬など、気休め程度だったか」

魔王「子供に多量の薬剤を投与させたくはないのだが」

勇者「ふくさよう、あるの……?」

魔王「……ああ」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:27:19.04 ID:ls2ISIZy0
勇者「やだ、こわいよっ、からだぼろぼろになっちゃうの?」

魔王「……薬なしに淫魔の本能を抑える方法があると言ったら、どうする」

勇者「方法、あるの? 教えて!」

魔王「……淫魔の本能、即ち欲を満たせば良い」

勇者「え…………それって、つまり…………魔王と、大人じゃないとしちゃいけないこと、するってこと……?」

魔王「……そうだ」

勇者「………………」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:27:59.44 ID:ls2ISIZy0
勇者「…………わかりました。実行します。してください」

魔王「お前の身体と、そして心も傷つける行為だぞ」

勇者「構いません。ちゃんと戦う為ですから。……お願いします」

魔王「……お前の一生が壊れてしまうかもしれないぞ」

勇者「……僕の、人生なんて、貴方がいなければ、寂しいままなんです」

勇者「貴方がいなければ、僕はこれからもひとりぼっちなんです」

勇者「ですから、貴方からされるのであれば……嫌なんかじゃ、ないんです」

勇者「はやく、この熱を……沈めてください」

魔王「……本当に、良いのだな」

勇者「はいっ……」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:29:31.29 ID:ls2ISIZy0
勇者「んっ……」ビク

魔王「……大丈夫か」

勇者「ひぁ、はい」

勇者(くちびる、くすぐったい……)ゾク

魔王「……舌、挿れるぞ」

勇者「ひぇっ……どういうこと?」

魔王「…………ディープキス、分かるか?」

勇者「……分からないです」

魔王「……噛むなよ」

勇者「んぅっ!?」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:30:38.25 ID:ls2ISIZy0
勇者「ふ、ぁっ……ん、んん、んっ、んんっ、んー!」ビクビク

勇者「…………ぷは、は、はあっ、は、あ…………」ゾクゾクゾクッ

魔王(……このまま続けても良いのだろうか)

魔王(いや……続けるしかないのか)

勇者「キスが、甘い、って、こういうこと、なの……?」トロォ

勇者「んむぅっ……っ…………」クチュ……

勇者(キスって、こわくて、すごい…………)ビクッ

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:31:52.30 ID:ls2ISIZy0
勇者「んっ……」

勇者(押し倒された…………)ゾク

魔王「……怖いか?」

勇者「こわい、けど、からだ、あついの」

勇者「こすりあわせたい」

魔王「……身体を異性に擦りつけたがるのは、淫魔の子供によく見られる習性だ」

勇者「そ……なの……?」

魔王「幼くとも、本能的に快楽を求めるのであろう」

勇者「かい、らく…………」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:33:32.41 ID:ls2ISIZy0
勇者「ふく、ぬぎたい……」ヌギ

勇者「むねなんて、なんかいもみられてるのに」

勇者「やっぱり、はずかしい…………」

魔王(……膨らみがほとんどないな……当然か)

魔王「……触るぞ、良いな?」

勇者「は、い…………」ブルブル

勇者「ひぁっ……」ピク

魔王(このようなろくに知識もない子供が、最後まで耐えられるのか……?)

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:34:05.52 ID:ls2ISIZy0
勇者「あ、ぁ……っ……まおっ……っ……」ピクビク

勇者「まお、ぅっ……んぅっ…………」

勇者「はあ、はぁっ……は、あぁっ…………」

魔王(傷痕が多い……相当修行を積んだのだろう)

魔王(これほどまでに小さな体で、どれほどの苦労をしてきたのだろうか)

勇者「そ、そこ、だめぇっ」

魔王「……脇腹が弱いのか」

勇者「んんっ! やめ、てぇっ! あ、や、やあぁ……」ビクビク

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:35:15.25 ID:ls2ISIZy0
…………
……

勇者「おなか……あしのあいだがムズムズするの……」

魔王「………………このまま続けても後悔しないな?」

勇者「そんなこと、しな、いよ…………」ピク

勇者「だって、ぼく、まおうのこと……すき、だからっ…………」

魔王「っ…………」

勇者「なにされたって、いいの…………」

魔王「勇者…………」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:37:38.27 ID:ls2ISIZy0
魔王「俺も、お前が好きだ」

勇者「ほんと?」

魔王「当初こそ妙な子供だと思ったが、いつの間にか、な……」

勇者「まお、ぅ……まおー…………」ギュウ

魔王「…………痛くなるぞ。覚悟は……良いな」

勇者「はいっ…………」

魔王「耐えろっ…………」ググ

勇者「ぅっ…………っ…………」

勇者「っ……ひ、ぁぁあっ…………」ビグビグゥッ

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:40:21.70 ID:ls2ISIZy0
勇者「あ、ぅぅ……っ…………」

魔王「っ……痛みは激しいか」

勇者「だい、じょう、ぶですっ……ちょっと、ピリってする、けどっ…………」ヒクッヒクッ

魔王「……っ………………」

勇者「いたみより、あっぱくがぁっ…………ぜはっ…………」

魔王(すぐに動くのには無理があるな……)ナデナデ

勇者「ん…………」

魔王「……しばらく撫でてやる」

勇者「んん…………」トロォ

勇者「だれかにあたまなでてもらうの、ひさしぶり」

勇者「勇者になってから、だれからもなでてもらえなかったから」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:41:16.07 ID:ls2ISIZy0
魔王「……………………」

勇者「まおう、だい、すき」ギュゥ

魔王「…………ああ」

勇者「んっ…………」

勇者「ずっと、いっしょにいたいの、いてほしいの」

魔王「…………」

勇者「ぼく、まおうがいれば、きっとひとりぼっちじゃない。さみしくなんてない」

魔王「勇者…………」

魔王(…………手放したくない)

勇者「めいわくだったら、ごめんなさい」

魔王「……迷惑なわけがあるか!」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:41:46.22 ID:ls2ISIZy0
魔王「戦いの儀式の後、生きていたならば……死ぬまで此処に居続ければ良い」

勇者「ぼく、まおうといっしょにいられるの…………?」

魔王「……お前を抱く責任は取る」

勇者「ぼく、まおうのおよめさんになれるの……?」

魔王「ああ、そうだ」

勇者「……ほんきでたたかっても、きっと、しなないよね?」

魔王「……共に、生き延びよう」

勇者「きっと…………ううん、ぜったい……!」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:42:17.81 ID:ls2ISIZy0
魔王「……動いても大丈夫か」

勇者「うん……うごいて、いいよっ…………」

勇者「あっ、あぅっ、ううっ……んあっ……ああっ……!」

魔王「つらかったら正直に言え。良いな」グッグッ

勇者「んっ……だい、じょぶっ…………」ビクゥッ

勇者「あ、ああ゛っ、ん、んぅっ、んぁあああっ!」

魔王「勇者っ、やはり……」

勇者「だいじょ、うぶ、だよっ……だいじょうぶ、だからぁっ」

魔王「……勇者っ…………」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:42:57.12 ID:ls2ISIZy0
…………
……

勇者「ひぁぁあああっ!」ビグゥッ

 

勇者「……終わった、の?」ハー ハー

魔王「ああ。……熱は治まったか」

勇者「うん…………もう、平気だよ」

勇者「魔王…………ありがとう」

魔王「……よく耐えきったな」

勇者「まお、ぅ…………」スー

魔王「…………よく眠れ、勇者」ナデ

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:43:13.36 ID:VkkUQzj20
この勇者は何歳ぐらいなんだ?
俺的には11歳

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:44:03.40 ID:ls2ISIZy0
魔王(俺があの土地を手放すと決定したとしても、他の魔族が許さないだろう)

魔王(既にあの土地を故郷として愛している者も多い)

魔王(……俺は負けるわけにはいかない)

魔王(しかし、儀式の敗者に対する誹謗は禁止されているとはいえ)

魔王(勇者が負ければ、故郷での勇者の立場は悪くなるだろう)

魔王(俺が傍にいたとしても、勇者の苦しみが……孤独が増す可能性がある)

魔王「……………………」

 

>>79
11歳の設定で書いてる

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:44:54.59 ID:ls2ISIZy0
――――――――

少年1「こいつゆうしゃのいちぞくのくせにちょーよえーよなー」

少年2「だっせぇw」

妹「だ、だって、たたかうのあんまりすきじゃないもん」

少年3「いたいのがこわいのか? ゆうしゃのちをひいてるくせに?w」

妹「いたいのは、こわいよ。つらいよ」

少年1「こいつほんとうにゆうしゃのいちぞくかよ」

少年2「ばーかちーびぶーすよわむしー!」

少年4「おいやめろって、なきそうだぞこいつw」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:45:53.73 ID:ls2ISIZy0
少年4「だいじょうぶか? おまえ」

妹「いじめてるの? たすけてくれたの?」

少年4「りょうほう」

妹「…………?」

少年4「あんまりにもかわいそうだからちょっとかばってやったけどさー」

少年4「ゆうしゃのしそんのくせによわむしでなきむしなのはなさけねぇんじゃねーの?」

兄「こらお前何言ってんだ! 妹を馬鹿にしたら許さないからな!」

少年4「うわこええ!」ダダッ

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:46:46.42 ID:ls2ISIZy0
妹「おにいちゃん!」

兄「妹ぉ、大丈夫か?」

妹「……いもうと、だめなこだからいやなことたくさんいわれちゃった」

兄「お前は優しい子だからな。言い返すくらいしても良いが、相手を傷付けようとしないところがお前の良い所でもあるんだぞ」

兄「あんな奴等のことなんて気にすんな」

妹「うん……」

妹(つよくなったら、いじめられなくなるのかな)

妹(いまいじめてくるひとたちとも、なかよくなれるのかな……?)

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:47:42.23 ID:ls2ISIZy0
数年後・大会

妹「はあっ!」

兄「くっ……」

カキィィイン

審判「勝者、妹!」

司会「妹選手、優勝です! なんと勇者第一候補の兄選手を敗りました!」

妹(やった! これで、皆から認めてもらえる……!)

妹「お兄ちゃん、戦ってくれてありがとう。良い試合だっt」

兄「近付くな!」

妹「え…………」

兄(今まで俺が面倒見てやってたのに…………)

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:48:30.17 ID:ls2ISIZy0
兄「……もう二度と俺に近付くな」

妹「おに、いちゃ……?」

兄「お前なんてもう俺の妹じゃねえ!」

妹「!?」

妹「ど……して…………」

妹(あんなに優しかったのに……)

司会「第一候補である兄選手に勝利したため、妹選手が今世代の勇者決定です!」

妹(勝っちゃ、だめだったのかな…………)

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:49:24.61 ID:ls2ISIZy0
妹「あ、皆」

少年1「うわやべ逃げろっ」

少年2「復讐されっぞ!」

少年3「こ、殺されるうううう」

妹「待って、酷いことなんてしないよ、待って!」

妹「…………」

 

妹「……ただいま」

母「……妹!」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:49:58.88 ID:ls2ISIZy0
母「ねえ、あの子は!? お兄ちゃんは何処に行ったの!?」

妹「え……?」

父「兄がいなくなった! お前さえ素直に負けていれば、家出なぞしなかっただろうに!」

母「あなたの所為よ! あなたの所為で兄が! 私の可愛い兄が……うう……」

妹「僕の所為で、お兄ちゃんが…………?」

妹「……………………」

母「ああ、兄、可哀想に……まさかこんな小さい妹に負けるだなんて……」

父「勇者になって、国を救いたかっただろうになあ……」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:50:30.77 ID:ls2ISIZy0
妹「皆に認められたくて、仲良くなりたくて、頑張って強くなったのに」

妹「僕、間違ってるの……?」

少年4「強くなり過ぎたんだろ」

妹「4君……」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:51:26.71 ID:ls2ISIZy0
妹「4君は、僕から逃げないの?」

少年4「お前が仕返しなんてしない性格だってのは知ってるっての」

少年4「俺格闘技習ってるから、相手が闘志持ってるかどうかくらいは読めるし」

少年4「まあ、俺もお前が強くなりすぎる原因作った一人でもあるわけだしよ」

少年4「少しくらい責任負った方が良いよなーって」

妹「よん、くん、僕、僕っ…………」グスッ

少年4「いくら強くなっても、泣き虫な性格は変わらねえよな」

妹「みんな、僕から離れて行っちゃったよおっ……」

妹「弱かった時よりも、もっと…………!」

妹「僕、僕、ひとりぼっちになっちゃった」

妹(体は強くなっても、心は弱いまま……)

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:53:57.86 ID:ls2ISIZy0
妹「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

妹「…………ごめんなさい」

 

二年後

兵士「勇者殿、任務です。古来より続いている領土問題なのですが」

妹「…………」

兵士「現在、魔族に奪われている地区を取り戻そうという活動が活発になっており」

兵士「今世紀は、勇者と魔王の戦いの儀式により諍いを沈めることとなりました」

兵士「御武運を」

妹「はい……」

妹(魔王に勝っても負けても、僕はきっと……ひとりぼっちのまま。帰ってくる場所なんてない)

妹(いっそ、死んじゃった方が楽になるのかな……?)

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:54:38.21 ID:ls2ISIZy0
妹(だめ、自分のことしか考えないのは、だめ。たくさんの人の問題なんだから)

妹(独りでも、ちゃんと戦って、責任を果たさないといけないんだ)

――――――――

勇者「ごめ、なさ、い…………」

魔王「……寝言か」

魔王(涙…………)

魔王「勇者…………お前を独りにはしない」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:55:43.30 ID:ls2ISIZy0
魔王「……腹は痛むか」

勇者「痛み止め魔法かけてるから、大丈夫」

魔王「なら……始めるぞ」

勇者「…………はい」

側近「防護結界確認、戦いの儀式を開始します」

格闘家「がぁんばーれよー」

魔王「……手加減はせぬぞ」

勇者「僕も、本気で戦う!」

魔王「だが、絶対に死ぬな」

勇者「魔王も、死んじゃやだからね!」

エネルギー波の風が巻き起こった。

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:56:36.84 ID:ls2ISIZy0
側近「天才的な戦闘センスを持つ稀代の魔王である当代魔王様と」

側近「生まれ持った、そう大きくはない素質を最大限に鍛え上げている勇者」

側近「どちらが勝利なさるのでしょうねえ」

格闘家「…………」

 

勇者「はぁあああ!!」カキイィィン

魔王「っ……」ギイイ

二本の刃が幾度と無く交わった。

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:57:15.88 ID:ls2ISIZy0
…………
……

側近「ほぼ互角ですね。数時間経ちましたが……」

格闘家「二人とも大分消耗してきたな」

勇者「……僕は、最後まで戦います。貴方が、僕をまともに戦えるようにしてくれたから!」

魔王「来い、勇者!」

二刃が最後の交わりを成し、勇者と魔王の魔力が吹き荒れる。

格闘家「衝撃波此処まで来たぞ、ヤバくないか!?」

側近「なら、人間の報告委員の方々と同じ様に室外に避難されます?」

格闘家「いや、見守りたい。防護魔術頼む」

側近「仕方ないですねえ」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 21:58:14.40 ID:ls2ISIZy0
勇者「う、くっ……はあああ!!」

魔王「くっ…………!」

凄まじい閃光が空間を包んだ。

それと同時に、魔王と勇者は対極に吹き飛ばされた。

勇者「っ!!」ドガッ

魔王「……っ」ズザアァァ

勇者「…………」

魔王「……っ…………」

側近「……先に立ち上がった方が、勝ちです」

格闘家「…………」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:01:43.11 ID:ls2ISIZy0
側近「先に立ったのは…………」

 

魔王「……っゆ、うしゃ…………」ヨロ

格闘家「……魔王か」

魔王「勇者っ……勇者ぁっ…………」ヨロ

勇者「…………」

側近「……っ!」

格闘家「おい、あいつ、血が…………!」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:02:18.53 ID:ls2ISIZy0
魔王「勇者、目を覚ませ、勇者」

勇者「…………」

魔王「ゆ……う、しゃ…………?」

側近「……衝撃波により、全身に貴方よりも酷い傷を負っています。これでは……」

魔王「すぐに治療を!」

側近「…………出血量が多過ぎます。勇者は助かりません。それより、貴方の治療を」

魔王「ふざけるな!」

側近「貴方まで死んだらどうするんですか! 直ちに救護班を呼びます」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:03:28.72 ID:ls2ISIZy0
魔王「勇者、勇者っ……!」

魔王「輸血はどうした!」

側近「……勇者の血は、人間と淫魔の混合型。適合者など見つかりはしないでしょう」

側近「…………勇者は、もう助かりません」

勇者「…………」

魔王「勇者、死ぬな! 勇者!!」

格闘家「……ごめんな」

格闘家「俺等がお前をからかったりなんてしなけりゃ、お前が嫌いな戦いをする破目になんてならなかったのにな」

格闘家「お前が早死にすることもなかったのにな」

格闘家「…………ごめんな」

魔王「勇者、お前は無能などではない! 勇者ああ!!」

 

魔王「ゆ…………う……しゃ…………」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:10:49.93 ID:ls2ISIZy0
数日後

側近「そろそろ報告班が人間の国に到着する頃でしょう」

側近「相当高位の術師でないと、向こうまで一瞬で転移することは難しいですからね」

魔王「…………」

側近「上手く事が運べば良いのですが」

魔王「………………」

側近「もうちょっと元気出したらどうなんですか」

魔王「…………」

側近「元気出せっつってんですよこのポンコツ」

魔王「………………」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:15:27.03 ID:ls2ISIZy0
側近「返事くらいしやがれですよウスノロ魔王」

魔王「…………」ハア

側近「……あの子供はよくやりましたよ、貴方とほぼ互角に戦ったんですから」

側近「貴方を殺しかける程戦える存在なんて他にはいないでしょうね」

魔王「………………」

団長「閣下、処理していただきたい書類があるのですか」

側近「分かりました、すぐにそちらへ向かいます」

側近「もっと嬉しそうな顔くらいしてくださいよ。では」タッタッ

魔王「………………………」

 

 

 

勇者「まおおおおおおおおお」バターン

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:16:26.57 ID:ls2ISIZy0
勇者「はあはあはあ会いたかったよまおおおお」スリスリスリ

勇者「まおー! まおおおお!!」ヌガセヌガセ

魔王「……」

勇者「はー、はー、まおおおお!!」ヌギヌギ

勇者「まおうあったかいよおあついよお」ジュリジュリ

勇者「まおおのちくびとぼくのちくびかさなってるよおこすれあってるよおお」スリスリスリスリ

魔王「……傷はもういいのか」

勇者「もうふさがったよおお」ジュリジュリジュリジュリ

勇者「目が覚めたら部屋から魔王いなくなってたから寂しかったよおおおおお」スリスリ

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:21:22.12 ID:ls2ISIZy0
勇者「はあはあまおーの首筋から胸元まで全部吸いたいのおお」ンチューンチュウウウ

魔王「っ……ぅ…………」

勇者「まおーの身体おいしいのおもっと吸いたいのお」チュウンヂュウウウ

魔王「……跡を見られたらどうする」

勇者「髪の毛と服で隠れるところだけえ」チュッチュウウッ

勇者「あははっ、まおー僕のキスマークでいっぱあい」ウットリ

魔王「……抱いてから変態度が増したな」

勇者「はあはあ魔王大好きだよ魔王はあはあはあはあ」

勇者「まお……ぉ……」クラァ

魔王「お、おい! 全く……まだ貧血が酷いのだろう、無理をするな」ナデナデ

勇者「あうぅ…………」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:22:05.07 ID:ls2ISIZy0
――――――――

魔王「ゆ…………う……しゃ…………」

ドッゴオオォォォォオオオオオ

側近「天井から侵入者が!?」

兄「妹! 妹ぉ!!」

格闘家「妹の兄ちゃんじゃんかよ! 生きてたのか!?」

兄「妹おぉぉぉ、ごめんな、悪い兄ちゃんでごめんな」

側近「あ、貴方は……」

兄「俺には妹と同じ血が流れてる! 必要なだけ抜き取ってくれ!!」

魔王「…………勇者は……助かるのか……?」

兄「さっさとしろ!」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:22:34.35 ID:ls2ISIZy0
…………
……

勇者「…………」スースー

側近「どうにか一命を取り留めました」

魔王「勇者…………」

格闘家「……何で天井裏なんかに隠れてたんだよ」

兄「俺は……俺は…………」

兄「妹を、殺しに来たんだ…………」

格闘家「はあ!?」

側近「どうしてそのようなことを」

魔王「…………」ピク

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:28:09.97 ID:ls2ISIZy0
兄「二年前、妹に負けた日、俺は国を飛び出した」

兄「情けなかった。小さな妹に負けたことが」

兄「ずっと見下していた妹に、追い抜かされたことが」

格闘家「昔は仲良かっただろ」

兄「ああ、可愛がっていたさ。でも、それは俺が妹を下に見ていたからだ」

兄「……気がつけば、俺は暗殺術を学んでいた」

兄「妹を殺すことで頭が一杯だった」

兄「馬鹿だよな、負けたのは俺の努力不足だったのに」

兄「小さい頃から天才だって言われて、天狗になってたんだ」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:29:10.97 ID:ls2ISIZy0
兄「妹が戦いの儀式で消耗した所を狙おうと思った」

兄「だから、数日前は城門の前に潜んでいた」

側近「しかし、儀式は延期になりました」

兄「ああ……だから、様子が気になって城内に忍び込んだ」

兄「その時は、まだ復讐に燃えていた」

兄「……でも、いざ妹が死にかけているのを見たら助けずにはいられなくなった」

兄「殺しに来たはずなのに、無我夢中で駆け寄っていた」

兄「……ごめんな、こんな悪い兄ちゃんで、ごめんな、妹…………!」

兄「全部俺の逆恨みだったのにな。本当は自分が悪いって気付いてたのに、認められなかった」

兄「ごめんな…………」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:30:26.50 ID:ls2ISIZy0
格闘家「お前がいなくなってから、こいつがどんな生活してたか知ってるか?」

格闘家「知ってるわけないか」

兄「……俺の代わりに持て囃されていたんじゃないのか?」

格闘家「最年少勇者として持ち上げる奴等も遠くに居たことは居たが」

格闘家「友達は怖がって離れてくし、いじめっ子すら寄り付かなくなるし」

兄「嘘だろ!? 俺は勇者候補だから大勢のダチがいたんだぞ」

格闘家「お前とは違う。それにあいつ、両親からも結構酷い扱いされてたぞ」

兄「は……? 父さんと母さんから……?」

格闘家「罵倒されたり暴力振られたりはなかったらしいが」

格闘家「無視されたり、一晩中家から追い出されたりしていたんだってよ」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:30:56.38 ID:ls2ISIZy0
兄「本当……なのか…………?」

格闘家「『いつ追い出されても良いように新しい寝袋買ったのー!』って笑顔で言われた時はどう反応しようかと」

兄「嘘だ……父さんと母さんがそんな…………」

兄「妹を……女の子だからってすごい可愛がってたんだぞ……?」

格闘家「それだけお前が大事だったんだろ、妹なんてどうでも良くなるほど」

兄「俺の所為で、妹がそんな…………」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:32:00.03 ID:YqbtHavy0
格闘家は妹の事をどう思っているのか

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:42:25.84 ID:ls2ISIZy0
兄「……俺の血を分けた事、妹には言わないでくれ」

兄「俺、妹に感謝される資格なんてないから。合わせる顔もないし」

格闘家「これからどうすんだよ」

兄「……故郷に帰って、妹の居場所を作ってやりたい」

兄「少しでも贖罪したいんだ」

兄「……じゃあな」

魔王「……兄、と言ったな。勇者の命を救ってくれた事、感謝する」

兄「……俺、妹を殺そうとしていたんだぞ?」

魔王「お前が居たから勇者が助かったのは事実だ」

兄「…………」

 

格闘家はノーマルだけど妹は恋愛対象外の異性の友達みたいな

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:43:08.42 ID:ls2ISIZy0
勇者「あれ……まおう?」

魔王「勇者!」

勇者「良かったぁ、二人とも生きてるんだ」

格闘家「おはよう変態」

勇者「変態言うなし」

側近「御生還おめでとうございます。しばらくは安静にしていてください」

勇者「ありがとう側近さん。少し、魔王と二人だけにしていただけますか?」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:44:05.86 ID:ls2ISIZy0
勇者「魔王、僕達、これでずっと一緒だよね……?」

勇者「あ、でも色々用事あるからちょっとだけ国に行かなくちゃ。王様にも会わないと」

魔王「勇者……ゆ、うしゃ…………」

勇者「魔王……泣いてるの?」

勇者「どうして? 僕ちゃんと生きてるよ? 約束通り二人とも生きてるよ?」

魔王「……勇者、いや、妹…………」

勇者「ん、なんだか本名で呼ばれると気恥ずかしいや」

魔王「あのまま、お前が目を覚まさないのではと…………」

勇者「大丈夫だよ、僕生きてるよ! 心配してくれて、ありがとう」

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:44:47.09 ID:ls2ISIZy0
魔王「幻では、無いのだな」

魔王「お前を、この手で殺めては……いないのだな」

勇者「うん。本気でぶつかり合ったけど大丈夫だったよ!」

魔王「妹っ…………」ギュウ

勇者「んっ……」

魔王「……愛している。俺の腕を離れるな」

勇者「うん! 一回人間の国に行って帰ってきたら、後はずっと一緒だよ!」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:45:52.34 ID:ls2ISIZy0
――――――――

勇者「魔王、どうして心配そうな顔してるの? もう安心して良いんだよ」

魔王「……あの時、お前を失っていたらと考えると、いまだに恐ろしくてな」

魔王「それに……一度故郷へ帰らねばならぬだろう」

勇者「それも心配なの? 大丈夫だよ、負けても馬鹿にされたりはしないから」

勇者「戦いの儀式で負けた勇者の悪口言ったら捕まっちゃう決まりだもん」

魔王「だが……」

勇者「早めに王様への挨拶終わらせて、すぐにこっちに帰ってくるよ」

勇者「あ、でも実家に荷物取りに行きたいな」

魔王「…………」

勇者「大丈夫だよ、もう、慣れてるから…………」

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:46:53.97 ID:ls2ISIZy0
格闘家「じゃあ行こうぜ」

勇者「僕を待ってたの?」

格闘家「お前の魔法なら一瞬で飛べるだろ」

勇者「そっか、他の人だと休みながらになるから数日かかっちゃうもんね」

格闘家「お前の兄ちゃんでさえ数日かかるのに、お前どんだけ努力したんだよ」

勇者「? どうして分かるの?」

格闘家「い、いや……昔そんなこと言ってたんだよ」

勇者「……………………そっか」

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:52:09.48 ID:ls2ISIZy0
国王「おお、大義であったな、勇者よ」

勇者「……ご期待に沿えず、申し訳ございません」

国王「良いのだ。ここ数代負け続きではあったが、その中でもお主はよくやった」

国王「お主はまだ十一だと言うのに、成人している魔王と互角に戦ったのであろう?」

勇者「ですが、領土は……」

国王「魔王から何も聞いておらぬのか?」

勇者「は、はい。治療に専念するようにと、特に何も教えられませんでしたので」

国王「魔王は、あの地域を中立地区にするつもりなのだ」

勇者「中立……地区……?」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:55:59.29 ID:ls2ISIZy0
戦いは互角であり、勇者が成長していたのであればこちらが敗戦していた可能性も十分有り得る。

よって、敢えて要求ではなく提案という形を取らせて頂く。

第四中央地区を人間と魔族の中立地区に――

国王「魔国から送られた書類の内容だ」

国王「世代毎に不毛な戦いを続けるより、最初こそ困難は多くとも」

国王「将来的には争いが無くなる道を選ぼうとしているそうだ」

勇者「魔王が…………」

家臣1「しかし、罠と言う可能性が……!」

勇者「罠だなんて! 魔王はそんな……」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:57:56.14 ID:ls2ISIZy0
家臣2「信用に足るとは思いますよ。私は報告委員として儀式の間の傍に待機していたのですが」

家臣2「儀式が終わり、状況を確認をしようと扉を開いた時、最初に目に飛び込んできたのは」

家臣2「かの魔王が、必死に重体の勇者を助けようとしている姿でした」

家臣2「詳しい事情は把握しておりませんが、数日の間に魔王は勇者と絆を築いていたようです」

勇者(……発情してたのは知られてないよね? 知られてたら死ねる…………)

家臣3「だが、要求――もとい提案を受理したところで、人間と魔族が近い位置に住めばどんな問題が勃発することか……」

155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 22:58:43.38 ID:ls2ISIZy0
国王「……人間、魔族双方にあの土地を愛している者がいる」

国王「長い時間はかかるだろうが、少しずつ距離を縮めるべきではないか」

勇者「国王陛下!」

国王「あの土地は作物が良く育ち、他所では採れない最高質の鉱物も掘れる」

国王「太古より、幾度と無く奪い合ってきた」

国王「この時代で、この争いに終止符を打つべきであろう」

家臣3「……」

国王「何より、魔王は強制的な『要求』ではなく『提案』として申し出ている」

国王「我等も、この誠意に応えるべきではないか」

家臣1「…………そうかもしれませぬ」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:01:41.22 ID:ls2ISIZy0
勇者「陛下……僕、負けて良かったです」

勇者「僕が勝っていたら、今世紀は人間があの土地を奪えても」

勇者「未来で、同じ戦いが起きていたでしょう」

勇者「魔王は、絶対に人間を裏切ったりなんてしません!」

勇者「きっと平和な時代を創り上げることができます!」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:02:31.63 ID:ls2ISIZy0
格闘家「王様と話するとか緊張しねえか?」

勇者「したけど、味方してくれたから思ったより大丈夫だった」

格闘家「じゃあ俺こっちだから」

勇者「うん、ばいばい」

格闘家「……たまには魔王城に遊びに行くからな、ダチとして」

勇者「うん! 楽しみにして待ってる」

 

「小さいのによく頑張ったわよね」
「あんな幼い子に戦わせるなんて、世の中酷よねえ」
「おつかれさまー」

勇者(同情的な目で見てくれる人も、いるんだ)

勇者(世の中、捨てた物じゃないのかな……?)

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:04:49.00 ID:ls2ISIZy0
少年1「おい、あれ妹じゃないか……?」

少年2「あ……ほんとだ勇者じゃん」

勇者「っ!?」ビクッ

少年3「あいつ負けちまったんだろ?」

少年2「あいつが負けるとか、魔王ってどんだけ強いんだよ」

少年1「あいつも怪物レベルだろ?」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:07:10.79 ID:ls2ISIZy0
勇者「ね、ねえ、みんな……」

少年1「ひぃっ!?」

少年2「逃げるぞ!」

少年1「あいつ死んじまえば良かったのに」

少年3「捕まるから気をつけろよお前!」

勇者「…………」

勇者(話しかけようとした僕が馬鹿だったのかな……)

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:07:57.64 ID:ls2ISIZy0
勇者(……荷物取りに行かなきゃ)

 

母「今思えば、妹が勇者になってくれて良かったわあ」

母「大切な兄が死なずに死んだんですもの。試練だけでも死ぬ危険性があるのでしょう?」

兄「母さん、やめてくれよ」

父「母さんの言う通りだぞ、兄。お前は大切な跡取りの長男なんだからな」

兄「父さんまで!」

 

勇者「……」

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:09:18.66 ID:ls2ISIZy0
兄「どうしてこんな風になっちまってんだよ!」

兄「二人とも、妹が大切じゃなかったのか!? お前等の娘だろ!?」

母「強すぎる女の子なんて、お嫁の貰い手ないじゃない」

母「普通の女の子としての幸せすら掴めないような子、育てても価値なんてないでしょう?」

父「可哀想だが、将来がなあ……金持ちに嫁がせることも不可能じゃな…………」

母「そもそも、女の子らしさの欠片もなくなっちゃったしねえ……」

兄「な……んでだよ…………お前等、そんな子供を道具としか見れないような親じゃなかっただろ!?」

母「貴方が出て行った時、とても不安になったわ。その時に子供の本当の価値知ったの」

兄「違う! お前等は子供の大切さを忘れちまったんだ!」

172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:11:17.30 ID:ls2ISIZy0
兄「俺の所為で……俺の所為で妹が…………!」

勇者(お兄ちゃん…………)

母「貴方は悪くないわ、可哀想な兄。あの子が異常だったのよ」

父「あの子があそこまで強くなるとは思わなかったが、結果的にお前は無事だった」

父「結果的に良かったんだ、あの子が犠牲になってくれて」

兄「俺だって、あいつが憎くて……殺そうとまでしていたさ」

勇者「!?」

兄「でも、出来なかった……! 」

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:12:10.19 ID:ls2ISIZy0
兄「どれだけくやしくて、憎くっても、やっぱり俺の肉親だ……俺の妹だ!」

兄「助けずにはいられなかったっ……!」

勇者(お兄ちゃん……やっぱり来てたんだ、魔王城に)

母「あのね、兄。私達は、貴方さえ戻ってきてくれたなら……」

勇者「……ただいま」ガチャ

父・母「妹!?」

兄「い、妹……まさか、聞いていたのか?」

勇者「……ごめんね、荷物纏めたらすぐに出てくから」

母「あ、あのね妹ちゃん」

勇者「そしたらね、もう二度と帰ってこないから、安心して」

175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:12:54.27 ID:ls2ISIZy0
勇者(あ、この写真……家族で旅行に行った時のだ)

勇者(僕の体が弱かったからなかなか遠出出来なくて、やっとのことで行けたんだっけ)

勇者(あった、お祭りの時にお父さんが買ってくれた服。今思えばちょっとぼったくりだったけど、模様気に入ってるんだよね)

勇者(3年前のだけど、当時で結構大きかったからまだ着れるはず)

勇者(お母さんから買ってもらったハンカチ。ずっと使ってたから大分色落ちしちゃった)

勇者(……小さい頃、お兄ちゃんからもらったペンダント。あの時から、お兄ちゃんっ子になったんだったな)

勇者「っ…………」

勇者「ばかだな、自分。こんなの持って行ったら、見る度に嫌な事も思い出しちゃうのに」

勇者「……どうしてこうなっちゃったんだろう」

勇者「うっ……うぅっ……おと、さ……おかぁ、さん…………おに……いちゃ…………」

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:15:53.01 ID:ls2ISIZy0
勇者「……さよなら」ザッ

兄「い、妹っ!」

勇者「……お兄ちゃん。命助けてくれて、ありがとうね」

兄「何処行っちまうんだよ!」

勇者「……ずっと、遠い所」

兄「っ…………ごめんな、ごめんな。こんな家族にしちまって、ごめんな」

兄「でも、いつかきっと、父さんと母さんを元に戻してみせるから」

兄「お前の居場所を取り戻してみせるからな」

兄「だから……無理にとは言わないし、信用なんてされるわけないけど」

兄「……いつか、帰って来て欲しい」

勇者「うん……分かった。いつか、きっと。お父さんとお母さんが優しくなったら」

勇者「昔のお父さんとお母さんに戻ってくれたなら…………また、会いに来るよ」

勇者「じゃあ、僕は僕の居場所に帰るから……ばいばい、お兄ちゃん」

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:17:15.80 ID:ls2ISIZy0
勇者「……ただいま」

側近「一泊もして来なかったんですか」

勇者「僕の帰ってくる場所は、此処……だから……」

魔王「…………妹、来い」

勇者「魔王が気を遣ってくれたから、中立地区にするって提案してくれたから」

勇者「優しくしてくれる人いっぱいいたよ」

魔王「……そうか」

勇者「ぐすっ……っぅう…………うあぁぁぁ!」

魔王「…………」ナデナデ

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:18:11.06 ID:ls2ISIZy0
数ヵ月後

妹は勇者を退任し、奪い合っていた地区の中立化が進められた。

そして魔王と妹が婚約したと発表され、妹が成人し次第正式に婚姻を結ぶこととなった。

 

格闘家「久しぶり変態」

妹「変態言うなし。そっちこそエロ知識豊富なくせに」

格闘家「これお前の兄ちゃんからのお土産」

妹「お兄ちゃんから……ありがと。……向こうの様子はどう?」

格闘家「中立地区化の反対派の声もあるが、魔族に占拠され続けるよりはマシだろって意見が多いな」

格闘家「しっかし、まさかお前があそこの領主とはな」

妹「まだ政治の事とかよく分からないから、周りの人に手伝ってもらいながらだけどなんとかやってるよ」

190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:27:19.17 ID:ls2ISIZy0
格闘家「で、お前の家族だけど」

妹「うん…………」

格闘家「お前がいなくなったらいなくなったで、また心境に変化あったみたいだぞ」

格闘家「別に擁護はしねえけどな」

妹「……そっか」

格闘家「お前の兄ちゃんは今勇者やってるぜ。お前の苦労が分かったとか言ってた」

妹「ん…………」

妹(本当に、いつか……元に戻ってくれるのかな…………?)

193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:28:13.86 ID:ls2ISIZy0
…………
……

妹「まおおおおおおお!」スリスリスリスリ

魔王「……昨晩抱いたばかりだと言うのに」

妹「一日しか持たないんだもん身体が勝手にいいいいい」

魔王「全く……ここ数ヶ月、毎晩お前を抱いているが」

魔王「俺の体力の方が負けそうだ」

妹「……迷惑? そうだよね、面倒くさいよね、僕なんか……」

魔王「……迷惑でも面倒くさくもないぞ。お前は自らを卑下する癖を直した方が良い」

妹「うぅ…………」

魔王(こいつが発情するのは、淫魔の本能と世界で唯一拮抗し得る存在である魔王を求める心が重なった結果だと側近は言っていたが)

魔王(それ以上に、愛する者から拒絶された孤独感が関わっているのだろう)

196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:29:21.45 ID:ls2ISIZy0
妹「でもこの暴走が無かったら、僕達婚約することなかったんだよねええ」スリスリ

妹「あの地域が中立地区になることもなかったしいいい」ズリズリ

妹「僕こんな体質で良かったよおお」

魔王「発情行為は世界を救ったか」

妹「でもまだ問題山済みだから、頑張って魔王を支えるよおおお」スリスリズリズリ

妹「はあはあ脱ぎたあいのおおおお」

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:30:05.01 ID:ls2ISIZy0
妹「見られたいのおおおおいやあ見ないでええええ」

魔王「どっちだ」

妹「からだがかってにいいいい」

魔王「毎晩見られているのに今更恥ずかしがらなくともいいだろう」

妹「何回見られても恥ずかしい物は恥ずかしいのおお!」

妹「ねえねえ僕いつ赤ちゃん産むのおおおお?」シュリシュリ

魔王「早くて五年後だな」

妹「まおうの赤ちゃん産みたあいのおおお」シュリシュリ

魔王「だからまだ早いと」

 

200: 忍法帖【Lv=7,xxxP】 2012/03/27(火) 23:31:12.38 ID:tF23J9G5O

ちょっと魔王になってくる

201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:31:16.93 ID:ls2ISIZy0
魔王は多分17~20代前半なイメージで書いてた

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:33:41.84 ID:ls2ISIZy0
バカエロ書くつもりしかなかったのに
書き溜めしてる内にいつの間にか勇者の可哀想な境遇(笑)が出てきた
次は青年魔王が女勇者から凌辱されるようなSSになりそう

211: 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 !mibun 2012/03/27(火) 23:34:40.70 ID:sV9xBqB50

212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:36:03.79 ID:i+Ie+8M60
>>208
乙!
次回作も楽しみにしてるぜ

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:37:55.94 ID:gl3JJKig0
面白かった

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:39:45.30 ID:hoADpcXs0
エロ目的で開いたのがなんか恥ずかしくなったじゃないかこの野郎
すごく良かったです 乙

224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:44:24.65 ID:uZN39mRm0
乙で御座いました

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/27(火) 23:55:08.40 ID:vUzQTvmf0

物語としてしっかりできていてとてもおもしろかった

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