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勇者「ひもじい……」

転載元:勇者「ひもじい……」

1: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 20:54:21.97 ID:QQ5DDrh/0
盗賊(♂)「腹減ったなぁ」

魔法使い(♀)「そうね……」

僧侶(♀)「空腹……」

勇者(♂)「でも金ないしなぁ……。誰だよ、魔物倒したらお金が手に入るとかいった奴は!」

盗賊「だってよぉー。普通落とすじゃん。よわっちい魔物は10Gとかだけど金ピカのやつとかは大金落としたりしてさー」

魔法使い「んなわけないでしょ……」

僧侶「ゲーム脳乙……」

勇者「この倒したスライム食えないかな……」

ツンツン

スライム「」

盗賊「イケるんじゃね?ゼリーみたいなもんだろ?」

勇者「そうか……」

3: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 20:56:35.54 ID:QQ5DDrh/o
魔法使い「ちょっ、やめなさいよ、無理無理ムリだって!」

 

勇者「もう二日も食べてないし……今なら……」

 

魔法使い「やめなさい!」

グシャ

 

勇者「ああ……踏むことないのに……」

 

魔法使い「空腹で正気を失ってるわね……」

 

僧侶「でもこのままじゃ餓死……」

 

盗賊「いいんじゃね?死んだら満腹度100%で王様のところからやり直せるぜ!死んでしまうとは情けないとか言われてな」

 

魔法使い「だからゲーム脳やめなさいよ!ないってそんな設定!」

4: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 20:57:19.69 ID:QQ5DDrh/o
盗賊「ちっ、しっかたねぇなぁ。じゃあ次の町まで行こうぜ」

魔法使い「は?」

勇者「な、何か考えがあるのか?」

盗賊「あ?大丈夫大丈夫。俺に任せておけって」

勇者「お、おお……盗賊。お前って奴は……」

魔法使い「意外と頼りになるわね」

僧侶「不安……」

5: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 20:58:10.63 ID:QQ5DDrh/o
―――町

宿屋「いらっしゃい!」

盗賊「4名でよろしこ!」

シュタ

宿屋「あいよ!4名様ご案内!」

盗賊「食事もよろしくな!」

宿屋「あいよ!」

魔法使い「ちょ、ちょっとお金ないのに大丈夫なの?」

勇者「結構いい宿だな」

僧侶「……」

盗賊「だいじょーぶ!任せておけって!なっ!」

6: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 20:58:59.48 ID:QQ5DDrh/o
勇者「うめぇー!3日ぶりの飯だ!」

ガツガツ

盗賊「食え食え!入るだけ詰め込め!ははは」

魔法使い「ほ、ほんとにお金なんとかなるんでしょうね」

モグモグ

盗賊「心配すんなって!前も俺ここ来たことあるからよ」

魔法使い「あ、顔が利くってこと?」

盗賊「ま、まーなぁ。気にせず食え食え」

僧侶「……」

モグモグ

7: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 20:59:38.96 ID:QQ5DDrh/o
―――翌日

勇者「いやぁ、ベッドも柔らかくていい宿だったなぁ」

盗賊「だろ?俺に任せておけばこんなもんよ」

魔法使い「疑って悪かったわ。やるじゃない」

僧侶「……」

モグモグ

魔法使い「あんたまだ食べてるの?」

僧侶「食いだめ……」

盗賊「さーってっと。んじゃお仕事始めますか」

勇者「へ?」

魔法使い「は?」

僧侶「……」

モグモグ

8: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:00:20.30 ID:QQ5DDrh/o
宿屋「昨夜はよくお眠りになられましたか?」

盗賊「おうよ!」

宿屋「それはよろしゅうございました。ではこちら代金400Gいただきます」

盗賊「ははははは、俺から金とろうってか?」

宿屋「え?いや……宿代を……」

ジャキンッ

宿屋「ひぃ!ナ、ナイフ」

盗賊「てめぇらみんな動くな!金を出せ!」

9: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:00:55.35 ID:QQ5DDrh/o
宿屋「や、やめてください……」

盗賊「おう、結構レジにはいってんじゃねーか。商売繁盛で何よりだぜ」

ガチャガチャ

魔法使い「やめい!」

ガンッ

盗賊「いで!な、なにすんだよぉ」

勇者「お前……それって強盗じゃないのか?」

僧侶「窃盗と傷害未遂……」

盗賊「あたりめーだろ。盗賊が盗まないでどうすんだよ」

魔法使い「世界を平和にするために旅してるのに世間を乱してどうするの!」

ガンガンッ

盗賊「いでぇ、叩くなって」

10: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:01:24.64 ID:QQ5DDrh/o
盗賊「魔物狩っても金なんてでてこねーんだろ!だったら人を狩って旅の資金つくりしかねーだろ!」

魔法使い「だからその発想がおかしいっての!」

勇者「でも王様まったく資金とかくれなかったしな……」

僧侶「ドケチ王……」

魔法使い「あんたたち……」

勇者「だからって強盗はないな」

盗賊「ちっ、わかってよ!命拾いしたな。てめぇー」

スッ

宿屋「ふぅ……」

魔法使い「その人に謝れ!」

ガンッ

盗賊「いでっ!」

11: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:02:13.00 ID:QQ5DDrh/o
勇者「はぁ……腹はとりあえず膨れたけど金目のものみんな取られちゃったな」

魔法使い「それで許してもらえただけマシでしょ」

僧侶「勇者特権……」

盗賊「あー、もうだめだー。俺達は飢え死にするしか道はねー」

ジタバタ

魔法使い「あー、もううっとうしい」

盗賊「だったら旅の資金どうすんだよぉ」

魔法使い「何かお手伝いしてお礼をもらうとかあるでしょ」

僧侶「それもゲーム脳……」

魔法使い「い、いいでしょ。悪いことするわけじゃないんだから」

勇者「魔物で困ってる人助けるとか?」

魔法使い「そうそう!」

勇者「よし……やってみるか」

12: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:02:38.28 ID:QQ5DDrh/o
盗賊「聞き込みしてきたぞぉー」

勇者「速いな」

盗賊「情報もアッチも速いのだけは自信があるぜ」

魔法使い「最低……」

僧侶「下品……」

盗賊「はぁー?これだからおこちゃまは……」

勇者「で、情報は?」

盗賊「ああ、東の洞窟の魔物が作物を荒らして困ってるらしい」

魔法使い「これこれ!こういうのよ!こういったののお礼で旅していけばいいのよ!」

盗賊「お前も結構アレだな……」

13: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:03:26.89 ID:QQ5DDrh/o
―――東の洞窟

魔物「ぐぎゃああああああああああ」

魔物「」

盗賊「意外と弱かったな」

魔法使い「私達だからそう感じただけで町の人たちには脅威だったんでしょ」

勇者「なぁ、こいつ食えるんじゃね?」

僧侶「……」

コクコク

魔法使い「はぁ?」

勇者「なんか豚の魔物だってみたいだし、焼けば……」

盗賊「持ってくか?」

魔法使い「やめときなさいよ。どうせお礼で美味しいもの食べられるんだから」

盗賊「まぁ、わざわざこれを食べることもないか」

勇者「……」

グーッ

14: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:04:16.72 ID:QQ5DDrh/o
―――町

魔法使い「東の洞窟の魔物を倒してきました!」

町人「は、はぁ……」

魔法使い「困ってたんですよね!ねっ」

町人「え、ええ。作物を荒らされてまして」

魔法使い「これで作物が安心して出来ますね!」

町人「あ、ありがと」

盗賊「あいつ……」

勇者「なんて押し付けがましい……」

僧侶「ウザい……」

15: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:05:00.39 ID:QQ5DDrh/o
町人「それじゃあ、ありがとうございました」

魔法使い「え?ちょっちょっと……」

町人「何か?」

魔法使い「あ、あのー。あたしたち魔物を倒したんですけど……」

町人「それはさっき聞きましたが……」

魔法使い「だ、だからあの……」

町人「まだ何か?」

魔法使い「うっ……ううっ……何でもないです……」

16: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:08:56.09 ID:QQ5DDrh/o
勇者「あ、諦めた」

盗賊「はぁ……ダメダメだな」

僧侶「……」

魔法使い「なぜ……良い事してもお金にならない……」

ガックリ

盗賊「おうおうおう!ちょっと待ててめぇ」

ガシッ

町人「えっ」

盗賊「助けてもらっておいてその態度はねーんじゃねーのか?あぁん?」

町人「あ、あの……ありがと……」

盗賊「おうっ、そうかそうか。ありがたく思ってるのか」

町人「は、はい……」

盗賊「だったらそれを見える形でしめさねーとなぁ?あ?」

ギラッ

17: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:09:47.39 ID:QQ5DDrh/o
町人「お、お金要求してるんですか?」

盗賊「ははは、馬鹿いってんじゃねーよ。誰が金だせなんて言った。それじゃ強盗じゃねーか。なぁ」

ガシッ

町人「あはは……そ、そうですよね……」

盗賊「だけど誠意は見せてもらわねぇとなぁ」

町人「あ、あの……じゃ、じゃあこれ……」

スッ

盗賊「おう、わりぃなゲブラッ」

ドガッ

魔法使い「ヤクザか!あんたは!」

18: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:10:25.04 ID:QQ5DDrh/o
盗賊「お前がモタモタしてっからだろ!取れるときに取っておけよ!」

魔法使い「そういうんじゃないでしょ!こういうのは!」

盗賊「やってることかわらねーじゃねーか。結局見返りに金要求すんだからよ」

魔法使い「お互いの善意がないと意味ないでしょ!」

盗賊「善意で飯が食えるか!」

勇者「あ、あのさー」

盗賊「何だよ!」 魔法使い「何よ!」

勇者「もうあの人どっか行っちゃったよ」

僧侶「逃げた……」

盗賊「見ろ!お前のせいだぞ!ただ働きじゃねーか!」

魔法使い「いいじゃない!人のためになったでしょ」

勇者「はぁ……ひもじい……」

グーッ

19: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:10:57.40 ID:QQ5DDrh/o
勇者「このままじゃ魔王城まで行けそうにない」

盗賊「まったくだ」

僧侶「同感……」

魔法使い「だからって悪事に手を染める気はないわよ」

勇者「いったん帰って王様に資金援助を頼んでみようと思う」

盗賊「お、いいんじゃね。勇者の案にしちゃ」

魔法使い「そうね」

僧侶「同感……」

勇者「お、俺っていったい……」

20: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:11:40.48 ID:QQ5DDrh/o
―――王城

王様「なんじゃ、魔王討伐に向かったのではなかったのか」

クッチャクッチャ

勇者「それが資金がつきまして……」

王様「旅の資金なら渡したではないか。それに装備も」

クッチャクッチャ

勇者「50Gと棍棒のことですか。装備はしておりますが、途中の食事代が……」

王様「足らんと申すか」
勇者「は、はぁ、まぁ……」

勇者(足りるわけねーだろ。くそジジイが……ひもじいっての。ブクブク太りやがって」

王様「そうかそうか」

クッチャクッチャ

勇者「な、何を食べてるんですか?」

王様「ん?ローストビーフじゃ」

勇者(こ、このやろう……)

ゴゴゴゴゴゴ

21: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:12:16.90 ID:QQ5DDrh/o
勇者「ころ……」

王様「いいじゃろう」

勇者「へ?」

王様「ん?ころ?『ころ』なんじゃ?」

勇者「い、いえ!なんでもありません!」

ブンブンッ

勇者「で、では資金を……」

王様「資金と言っても税金じゃ。簡単には渡せん」

勇者「なっ……」

王様「じゃからこの書類をやろう」

スッ

勇者「こ、これは?」

22: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/23(水) 21:12:51.80 ID:QQ5DDrh/o
王様「各町にお主を支援するように行っておこう。役場に提出すれば」

勇者「提出すれば?」

王様「お金が出るかもしれん」

勇者「かもしれんって!確証くださいよ!」

王様「あー、わかったわかった」

シッシッ

勇者「じゃ、じゃあもらっていきます」

スツ

王様「おーい!大臣!これおかわり!」

クッチャクッチャ

勇者「……」

26: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 05:32:23.01 ID:A2FcEX+ro
盗賊「おい、勇者!どうだった?いくらもらえた?ちょろまかしてねーだろーな?」

魔法使い「いくらいくら?ねっねっねっ?」

僧侶「……」

グーッ

勇者「お前ら……」

盗賊「いいから見せろよ。ん?なんだこれ?」

魔法使い「申請書?」

勇者「各町でそれ出すと支援してもらえるらしい」

盗賊「はぁ?なんだよそれ」

魔法使い「で、でも飢えることはなくなるんでしょ」

僧侶「……」

コクコク

勇者「だったら……いいなぁ……」

グーッ

27: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 05:32:54.72 ID:A2FcEX+ro
―――町役場

勇者「あのー……」

役人A「あー、順番守って。横からはいっちゃ駄目だよ」

勇者「え?」

役人A「ほらっみんな並んでるでしょ」

勇者「わ、わかった……」

勇者「……」

28: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 05:33:36.29 ID:A2FcEX+ro
勇者「……長いな」

勇者「……そろそろか」

勇者「来た!」

勇者「あのー……」

役人A「番号札は?」

勇者「は?」

役人A「番号札の順番に呼んでますから、番号札とって待っててね」

勇者「くっ……」

イラッ

29: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 05:35:08.58 ID:A2FcEX+ro
勇者「最初から言えよ!」

役人A「144番の方ー」

勇者「無視かよ!」

勇者「番号札……これか」

勇者「421番……どれだけ待つんだよ……」

勇者「……」

勇者「……」

イライラ

役人「420番の方ー」

勇者「次か」

勇者「……」

役人A「422番の方ー」

勇者「飛ばされた!?」

30: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 05:35:36.27 ID:A2FcEX+ro
勇者「おい!次は俺だろ!」

ズイッ

役人A「あー、もう大声出さないでください」

勇者「次421番だろ。ほらっ!これこれ」

役人A「え?もう次の方も来てますからもう一度お願いします」

勇者「はぁ!?」

役人A「423番の方ー」

勇者「な、なんだここは……」

31: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 05:36:03.16 ID:A2FcEX+ro
勇者「……」

イライラ

役人A「620番の方ー」

勇者「来た!」

バッ

勇者「俺俺!俺620番!」

役人A「あーはいはい。あなたね。で、何の用?」

勇者「これ!支援要請お願いします!」

スッ

役人A「んー?あんたが勇者?証明するものは?」

勇者「え……」

役人A「ないの?なかったら渡せないよ?」

勇者「いや、だって俺勇者だし……」

32: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 05:37:14.58 ID:A2FcEX+ro
役人A「口で言われてもねー。最近不正受給も多いんでね」

勇者「そ、そんな……」

役人A「じゃあ次の方……」

勇者「ま、待て。戸籍!戸籍があれば俺が勇者と分かるだろう!役場なら見てくれ!」

役人A「戸籍は別の窓口になります。そちらにお並びください」

勇者「……」

33: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 05:38:33.32 ID:A2FcEX+ro
―――町

勇者「……」

ボー

盗賊「おーい、勇者しっかりしろー」

魔法使い「町役場の中でいったい何が……」

僧侶「茫然自失……」

勇者「戸籍複写に500G……申請は1か月待ち……毎月報告義務……」

サラサラサラ……

盗賊「逝くな!勇者!勇者ああああああああ!」

魔法使い「なんということでしょう……」

僧侶「お役所仕事……」

34: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 05:39:06.83 ID:A2FcEX+ro
―――山林の村

勇者「木の実がうまい……」

モグモグ

盗賊「ぜんっぜん腹膨れねーけどな」

僧侶「山しか進めない……」

魔法使い「お金ないんだからしかたないでしょ」

グーッ

勇者「でもまぁ死ななくて良かった……本当によかった……」

魔法使い「あたしたち何と戦ってるんだっけ……」

盗賊「それはそうと村に着いたな。金目のものがあれば……」

魔法使い「駄目だっていってるでしょ!」

盗賊「じゃあどうすんだよ」

魔法使い「あたしに考えがあるわ」

35: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:14:51.40 ID:A2FcEX+ro
勇者「考え?」

魔法使い「お手伝いで報酬作戦」

盗賊「それ前失敗したじゃねーか」

魔法使い「それは前もって報酬の話しなかったからでしょ!」

盗賊「あ?俺のせいだってのか!?」

勇者「まぁまぁ」

魔法使い「今回はちゃんと前もって報酬について話してから行こう」

勇者「な、なんかだんだん傭兵みたいになってきたな……」

盗賊「ちっ……盗んだ方がはえーのによ」

36: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:15:39.37 ID:A2FcEX+ro
村長「勇者様!お待ちしておりましたぞ!!」

勇者「へ?」

盗賊「は?」

魔法使い「え?」

僧侶「……」

村長「勇者様!お願いがございます!」

勇者「ちょ、ちょちょちょ。展開が速すぎてついていけないんだけど……」

村長「す、すみません。うれしくてつい。お茶も出さずに。少女、お茶をお出しして」

少女「はい、おじいちゃん」

37: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:16:08.86 ID:A2FcEX+ro
勇者「え、えーっとそれでなんでしたっけ?」

村長「実はこの村は魔物に襲われておりまして……」

勇者「でも普通そうですけど……」

村長「ええ、今はまだ……しかしこの季節に生贄を出さないと……」

村長「今年はわしの孫のあの子の番で……うううっ……」

盗賊「おう、ねーちゃん、かわいいじゃねーか」

少女「や、やめてぇー」

勇者「……」

38: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:17:02.15 ID:A2FcEX+ro
盗賊「へへへ、いい体してんなー」

モミモミ

少女「あああ」

村長「ちょっ!」

勇者「ちょっ!」

盗賊「村長さん、いいぜ。その魔物、俺達が倒してきてやるよ。その代わり報酬は前払いでいただくぜ」

村長「ま、孫を離してください」

39: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:17:38.34 ID:A2FcEX+ro
盗賊「だから報酬前払いっていってるだろ」

チュッチュッ

少女「あうっ」

村長「ま、まさか……」

盗賊「この子をいただこうか」

魔法使い「こ、この……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

僧侶「待って……」

魔法使い「何よ!早くとめないと」

僧侶「演技っぽい……」

魔法使い「え」

40: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:18:04.55 ID:A2FcEX+ro
村長「お願いします。孫は……孫だけは……」

盗賊「じゃあ、大事な大事なお孫さんと同じくらいの価値の報酬をいただかないとなぁ」

村長「わ、わかりました。こ、これだけ払いますから。ですから離してください」

盗賊「おお、結構な額だな。はいよっと」

スッ

勇者「お前ってやつは……」

村長「ふぅ……少女こっちにおいで」

少女「……」

村長「ですが、成功報酬ですぞ。前払いはいたしませんよ」

盗賊「は?」

勇者「あれだけやって信用されるわけないだろ……」

盗賊「ま、しゃーねーわな。じゃ、書類作ろうか。お互い逃げないようにな」

41: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:19:16.53 ID:A2FcEX+ro
盗賊「じゃま、そういうことでよろしく」

バタンッ

村長「まったく……あれが勇者一行とはなさけない……」

村長「じゃが村のためじゃ……やむをえん」

村長「少女、大丈夫じゃったか?」

少女「盗賊様……///」

ポッ

村長「え゛」

42: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:36:08.41 ID:A2FcEX+ro
盗賊「どうだ。報酬が跳ね上がっただろ。どうだ」

魔法使い「あんたってやつは……」

盗賊「あんなに大事にしてる孫がいるんだから利用しない手はねーだろ」

勇者「……」

魔法使い「勇者も何か言ってよ」

勇者「うまい飯……」

グーッ

僧侶「木の実以外のご飯……」

魔法使い「駄目だ……こんな空腹で大丈夫かしら……」

盗賊「村長の話じゃたいした魔物じゃなさそうだし、余裕だって」

魔法使い「まぁ、それであの報酬ならいいけどね……村も助かるし」

43: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:37:34.51 ID:A2FcEX+ro
―――ドラゴンの巣

ドラゴン「ギャオオオオオオオオオオオオン!」

ゴゴゥ

盗賊「ぎゃー!あちぃー」

魔法使い「どこがたいした魔物じゃないのよ!ドラゴンって聞いてないし!」

盗賊「あ、あの村長め……くそー」

44: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:38:16.15 ID:A2FcEX+ro
勇者「ドラゴン……ドラゴン肉……ステーキ……」

ジャキンッ

盗賊「おお!勇者いけ!やっちまえ!」

魔法使い「もう目が怪しいけど……大丈夫?」

勇者「ドラゴン肉の煮込み……スペアリブ……照り焼き……」

グーッ

僧侶「……お腹が減って動けないよ」

フラフラ

魔法使い「と、とにかく行くわよ!」

カッ!

45: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:38:53.91 ID:A2FcEX+ro
盗賊「うぐぐぅ……め、目があああああああ」

魔法使い「盲目ブレスとか聞いてないし……くぅ……」

勇者「倒したのに……俺の肉が見えない……」

僧侶「……」

フラフラ

魔法使い「しばらく治らないわよ……これ……」

46: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:40:03.78 ID:A2FcEX+ro
盗賊「肉より角だ。魔物を倒した証が必要だからな」

魔法使い「それなら持ったわ。ううっ……」

盗賊「がはっ……も、もうボロボロで俺は……」

勇者「しっかりしろ!……うぐぅ」

ガシッ

盗賊「勇者、正気だったのかよ」

勇者「お前が肉に見えない程度には……な」

魔法使い「僧侶も立てる?」

僧侶「……」

コクッ

47: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:40:35.59 ID:A2FcEX+ro
魔法使い「はぁはぁ……」

ズリズリッ

勇者「ぜぃぜぃ……」

ズリズリッ

盗賊「がぁ……も、もう置いていっていいぜ……」

ボタボタ

僧侶「……」

魔法使い「な、何言ってるのよ……」

48: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:41:24.84 ID:A2FcEX+ro
盗賊「ろくに前もみえてねーんだろ……」

魔法使い「でも置いてなんて……はぁはぁ」

勇者「ムリだ……」

バタッ

魔法使い「勇者まで何を……うっ」

クラッ

魔法使い「あ、あんたがそんな弱気だと……うっ」

バタッ

勇者「ひもじい……」

49: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:42:42.85 ID:A2FcEX+ro
村人「ふんふんふ~ん♪」

村人「お?」

村人「おーい、生きてるかー?」

ツンツンッ

盗賊「うううっ……」

村人「お、生きてんじゃん」

盗賊「た、たすけ……」

村人「動けないのか?」

盗賊「そ、そう……だ。がはぁ……」

ボタボタ

村人「ほほぅ」

ゴソゴソ

盗賊「何を……やってんだ……」

村人「金もってねーのか」

50: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:43:25.63 ID:A2FcEX+ro
盗賊「なっ……」

村人「うわぁ、全員血だらけだなぁ……」

ゴソゴソ

盗賊「ううぅ……」

村人「おっ、何かはっけーん」

キラーン

村人「何なに?魔物討伐の証と交換で……お、おお!マジか!」

村人「あんのか?この袋の中にあんのか?」

盗賊「や……め」

村人「発見!ドラゴンの角!ひゃっはー」

ダダダッ

盗賊「ま……て」

ガクッ

51: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:45:41.83 ID:A2FcEX+ro
???「ねっ、ねっこの人たち血だらけだよ」

???「血だらけだねー」

???「死ぬのかなー」

???「たぶんね」

???「助ける?」

???「え?だって人間だよ」

???「でもこのままじゃしんじゃよ」

???「もう死んじゃってるんじゃない?」

???「それじゃ仕方ないね。それに私達になんて助けれらたくないかも」

???「そうだね」

勇者「ひもじい……」

グーッ

52: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:46:32.49 ID:A2FcEX+ro
勇者「いやは、ふぁふへへもらっへありがほう」

モグモグモグ

???「食べながら喋らないでください。部屋が汚れます。それにそんなにこぼして」

勇者「んぐぐ。ごめんごめん、盲目ブレス食らってまだ目が見えなくてさ」

勇者「盗賊と魔法使いと僧侶は?」

???「盗賊さんと魔法使いさんはまだ治療中です」

勇者「僧侶は?」

???「あの人は怪我一つしてませんでしたね。空腹だった見たいで3日分くらいの食事をペロリと食べて寝ちゃいました」

勇者「無傷だったのかよ……」

???「何かあったんですか?盲目ブレスとは?」

勇者「いやぁドラゴンと戦ったんだけど相打ちみたいな?」

53: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:49:07.49 ID:A2FcEX+ro
???「ドラゴン!?あの暴れ者を倒したのですか?」

勇者「倒したというか倒されたというか……」

???「私達も彼には困っていましたが……」

勇者「そりゃよかった」

???「わ、わたしたちまでいじめたりしないですよね?」

勇者「はぁ?なんで?」

???「だって……」

勇者「するわけないだろ。命の恩人なんだし。あっ、でもお礼はちょっと待って欲しいんだけど……」

???「お礼?」

勇者「いやぁ……お金がなくって……入る予定はあるんだけど」

???「お礼などいりませんよ」

54: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:50:20.26 ID:A2FcEX+ro
勇者「えっ、でも……」

???「森の中ではお互いに助け合って生きていくものです。まぁ、食べるために狩りなんかはしますけどね」

勇者「あ、そういえばドラゴンの肉……もう腐っちまったかな……」

???「あははは。きっと森の仲間が山分けにしてますよ」

勇者「ちっ、仕留めたのは俺なのに……」

???「まぁゆっくり休んでいってください」

55: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:51:12.59 ID:A2FcEX+ro
―――森のはずれ

勇者「え!?契約書とドラゴンの角を盗まれた!?」

盗賊「仕方ねーだろ!動けなかったんだからよ!」

魔法使い「死んでも死守しなさいよ!」

僧侶「お腹が空いて動けなかった……」

魔法使い「僧侶は良く頑張ったわ。盗賊は責任とりなさい」

盗賊「お前ら俺に厳しすぎ!」

56: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:51:41.99 ID:A2FcEX+ro
???「あ、あの……」

勇者「あ、ごめん。送ってくれてありがとう」

???「目はだいじょうぶですか?」

勇者「うっすらとだけど見えるようになってきたよ」

???「そうですか。気をつけていってください。もしまた倒れてて死んじゃってたら食べちゃいますからね」

勇者「ははは。気をつけるよ」

???「それでは」

バサッバサッ

勇者「?」

勇者「あれ?もういない」

57: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 06:52:10.56 ID:A2FcEX+ro
魔法使い「いい人達だったわねー」

僧侶「……」

コクコク

勇者「顔が見えなかったのが残念だよ」

盗賊「おっぱいでかかったな」

魔法使い「さわったの!?」

盗賊「触るだろ、普通」

勇者「そ、そうなのか……」

魔法使い「おい」

58: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:40:34.31 ID:A2FcEX+ro
盗賊「さて、今後の旅の方針についてなんだけどよ」

魔法使い「なに?」

盗賊「魔法使い、お前の作戦は失敗だ」

魔法使い「なっ!あ、あれはたまたま運が悪かっただけでしょ!」

勇者「そうそう、今からでも……」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「シャラップ!それはそれ、これはこれ。またこんな失敗は勘弁してもらいてー」

魔法使い「あたしのせいじゃないでしょ!」

59: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:41:35.78 ID:A2FcEX+ro
盗賊「まぁ聞け、もうちょっと進んだら魔界に入る。魔族の密集地だ」

魔法使い「だから何?倒してもお金になんないわよ」

盗賊「まぁまて。魔族の密集地ということは集落や村や町もあるだろぉ?」

魔法使い「えっ……まさか……」

盗賊「そのまさかよ!魔族の町を襲えばいいじゃねーか。きっと食料も金もあるぜ」

勇者「う、ううーん、それは人としてどうなんだ?」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「また腹減らして死に掛けたいのか!?あぁ?空腹じゃなけりゃあんなドラゴン普通に倒せたんじゃねーのか?なぁおい」

勇者「そ、それは……」

60: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:42:00.04 ID:A2FcEX+ro
盗賊「じゃあ、魔界に入ってからはそれでいくぜ。だがその前に……」

魔法使い「は?まだ何かやるの?」

盗賊「ドラゴン退治のお礼はもらえなかったけどよ。お礼はしにいかねーとなぁ」

勇者「でも俺気を失ってたし、目も見えなかったから犯人分からないぞ」

魔法使い「あたしも……」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「そいつが村長から報酬もらってんなら村長に聞けばわかるだろ」

勇者「なるほど」

盗賊「勇者……お前ばかだろ……」

勇者「え?なんで!?」

61: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:42:41.61 ID:A2FcEX+ro
―――山林の村

勇者「い、行くぞ。やろうども」

僧侶「あいあいさー……」

魔法使い「ちょっと勇者……山賊じゃないんだから……」

盗賊「俺は盗賊だけどな……」

魔法使い「襲うわけじゃないんだからね。気をつけてよ」

勇者「わ、わかってるよ」

ガシャ

勇者「こんにちは……」

村長「むっ?誰じゃ?」

勇者「どうも勇者一行です」

ペコッ

村長「な、ななななななななんで生きておるんじゃ!?」

勇者「え?」

62: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:55:55.03 ID:A2FcEX+ro
村長「じゃなかった!てへっ」

ペロッ

勇者「いや、いまなんで生きてるって……」

村長「そんなこと言っておらん!やりなおし!」

勇者「やり直しって……」

村長「よくぞ生きて帰ってこられた!勇者様」

勇者「……」

村長「それでドラゴンは?」

勇者「え?先に倒したって村人が来てない?」

村長「な、なんのことだか……」

勇者「ドラゴンなら倒したんだけど……」

村長「ほぅ……してその証は?」

勇者「ないけど……」

村長「それでは約束が違いますなぁ。報酬は渡せませんぞ」

63: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:56:37.92 ID:A2FcEX+ro
勇者「でも倒したんだし、ドラゴンの心配は……」

村長「ドラゴンはまだ生きてるかもしれませんなー。あー、心配で夜も眠れませんわ」

勇者「……」

村長「あー、心配で胃が痛いわい」

スリスリッ

少女「きゃあ」

盗賊「おい、村長こっちをみろぉ」

グイッ

村長「しょ、少女……!?」

64: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:57:24.76 ID:A2FcEX+ro
盗賊「どうせこんなことだろうと思ったぜ。あの村人に報酬の一部渡して有耶無耶にしちおうってんだろ?あ?」

村長「し、知りませぬ。孫をはなしてくだされ」

盗賊「ドラゴンは確かに倒した!だが報酬が渡せないっていうんなら、仕方ない。こいつをさらっていく」

村長「なっ……」

盗賊「いくぜ!やろうども!」

勇者「え?」

魔法使い「え?」

僧侶「あいあいさー……」

バッ

65: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:57:57.91 ID:A2FcEX+ro
―――山林

魔法使い「誘拐なんてして!またどうすんの、これ」

盗賊「どうしようか……こいつと引き換えに報酬もらおうと思ってたんだけどよ……」

少女「盗賊様……好き///」

ギュッ

勇者「完全に惚れられてるな。この野郎」

ガスッ

盗賊「いでっ」

魔法使い「あー、もう誘拐とかないから。あんたも帰りなさい」

少女「嫌です!盗賊様は私をさらってくれると言ってくれました///」

ギュッ

盗賊「え、えっと……」

少女「一生大事にするって言ってくださいました///」

盗賊「いや、それは言ってねぇ」

66: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:58:41.61 ID:A2FcEX+ro
勇者「盗賊、お前は少女の一番大事なものを盗んじまったのさ」

僧侶「それは少女の心です……」

勇者「なんてな!ははははは」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「何面白がってんの?金になんねーんだぞ?なぁ、お前ら仲いいな」

少女「盗賊様……」

ウルウルッ

盗賊「よく聞け、少女。お前このパーティーにいたらな……」

少女「いたら?」

盗賊「飢えるぞ」

勇者「嫌な事言わないでくんない!?まぁその通りだけどさ!」

67: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 21:59:31.68 ID:A2FcEX+ro
少女「盗賊様と一緒なら……それでもいい」

ギュッ

魔法使い「な、なんでそんな盗賊が好きになっちゃったの?」

勇者「それは気になる」

少女「だって……あの時……盗賊様の手がとってもお上手だったんですもの///」

ポッ

勇者「な、な、盗賊お前あの時何をした!?」

盗賊「ちょ、ちょっと触っただけだって!マジで」

少女「好き///」

ギュッ

盗賊「あー、もうしらね。行こうぜ」

ズルズルッ

68: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 22:00:29.71 ID:A2FcEX+ro
魔法使い「そうやって引きずっていくつもり?」

勇者「いつか力尽きて離れるのを待つのか?」

盗賊「あー、もううっとうしい。ほらっ手を出せ」

少女「え」

ギュッ

盗賊「さらってやんよ」

勇者「うわぁ」

魔法使い「これは……」

僧侶「これはいいツンデレ……」

69: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 22:01:02.00 ID:A2FcEX+ro
テクテク

魔法使い「もうすぐ魔界ね……」

勇者「ひもじい……」

魔法使い「結局お金もないし、食料は現地調達だもんね……」

少女「ほらっ、盗賊様。私の木の実差し上げます」

盗賊「いいからお前が食え」

少女「そう言って前も私にくださいました。ほらっ、あーん」

盗賊「けっ!」

勇者「なぁ、あいつ殴ってもいいよな?許されるよな?なぁ?」

僧侶「あいあいさー……」

魔法使い「こらこら」

70: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 22:02:19.58 ID:A2FcEX+ro
―――ハーピーの村

勇者「魔族の村だ」

魔法使い「翼が生えてるわね」

少女「ハーピーだぁ、絵本で見たわ」

盗賊「みつかんなよ。一気に制圧するんだからな」

僧侶「……」

コクコク

盗賊「やばかったら逃げる。盗ったら逃げろ、これが一番大事だ」

少女「メモメモ」

魔法使い「変な事教えるんじゃない」

盗賊「最初はでかい声で威嚇するからな、頼んだぜ?勇者」

勇者「え?また俺!?」

71: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 22:03:17.51 ID:A2FcEX+ro
ドキドキ

勇者「え……えー」

盗賊「ほらっ、早く言え」

勇者「えー本日はお日柄もよろしく……」

魔法使い「それ結婚式のあいさつ」

勇者「えーえっと……腹減ったーーー!!」

盗賊「だめだこいつ……」

魔法使い「勇者……」

僧侶「イイ……90点」

「あれって……」

「また来たの?」

「クスクスクス」

ザワザワ

ハーピー女「あら、あなたたち。お久しぶりね」

勇者「え゛」

72: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 22:03:58.16 ID:A2FcEX+ro
ドンッ

ハーピー女「さあ、召し上がれ」

勇者「なぁ、これ食っても大丈夫かな?」

魔法使い「さ、さぁ」

勇者「盗賊、どう思う?」

盗賊「俺に聞くんじゃねーよ」

少女「こ、これ虫の形してますけど……」

ハーピー女「あら?この間は美味しい美味しいって言ってましたよね?」

僧侶「美味しい美味しい……」

パクパク

73: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 22:05:33.23 ID:A2FcEX+ro
勇者「お、おい、大丈夫か?」

盗賊「毒とか入ってねーか?」

魔法使い「む、虫なんでしょ?」

僧侶「いらないなら全部私の物……」

モグモグ

グイッ

勇者「ちょっ、待て!俺から食べ物を盗るな!殺すぞ!」

ガシッ

勇者「く、食えるのか……」

パクッ

勇者「むっ……この味は……」

勇者「この間の恩人!!!」

ハーピー女「え?気づいてなかったんですか?っというか味で気づくって……」

74: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 22:06:06.91 ID:A2FcEX+ro
勇者「この間は目が見えなかったから人間だとばかり……」

モグモグ

ハーピー女「あらあら」

魔法使い「ほ、本当にこの間の人……?」

僧侶「……」

モグモグ

ハーピー女「ええ、大変でしたね。お怪我はもうよろしいですか?」

勇者「おい、僧侶、お前のちょっとくれ」

モグモグ

魔法使い「ええ、あ、あの……ありがとう///」

75: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/24(木) 22:06:35.94 ID:A2FcEX+ro
僧侶「阻止」

ギィーン

モグモグ

ハーピー女「皆さんはこれからどちらに?」

勇者「ちょっとくらいいいだろ」

モグモグ

魔法使い「えー、魔王城までちょっと……」

僧侶「美味しい美味しい……」

ゴクンッ

勇者「あー!全部食いやがった!」

魔法使い「ちょっと!うっさい!」

76: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 06:49:12.87 ID:m4OlrUcOo
勇者「いやぁ満腹満腹、ごちそうさん」

僧侶「腹八分……」

魔法使い「ご馳走様でした」

少女「意外と虫って美味しいんですねー」

盗賊「……」

ハーピー女「ご満足いただけてよかったです」

盗賊「さーて、腹もいっぱいになったことだし……」

勇者「え?」

魔法使い「まさか?」

盗賊「お仕事といきますか!金目のものを出してもらおうか!」

ジャキンッ

僧侶「あいあいさー……」

77: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 06:49:45.28 ID:m4OlrUcOo
勇者「おまっ、命の恩人に何言ってんの!?」

魔法使い「そうよ!」

盗賊「命の恩人って言っても魔物じゃねーか、あ?」

ハーピー女「ええ、私は魔物ですが、それで何か問題でもありますか?」

盗賊「……」

ハーピー女「それとも別の理由ですか?」

盗賊「盗賊の仕事は盗むこと、ただそれだけなんだよ。食べ物だって金だって……」

盗賊「それに平和だって盗んで手に入れるだけなんだよ……」

ハーピー女「それだけには見えませんね。あなたは我々に最初から敵意があるように感じますが……」

盗賊「そんなんじゃ……」

ハーピー女「大事な人を魔物に殺されでもしましたか?」

盗賊「なっ……」

78: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 06:50:25.08 ID:m4OlrUcOo
盗賊「そーだよ!悪いか!親父もお袋も魔物に食われた!ゆるさねー!」

ジャキン

ハーピー女「そうですか……」

ハーピー女「それで魔物全てが悪だと?」

盗賊「それは……」

ハーピー女「ではお金を差し出せば命は助けていただけますか?」

79: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 06:51:06.84 ID:m4OlrUcOo
盗賊「……」

ハーピー女「魔物の中にもいい人ばかりじゃありません。でも悪い人ばかりでもないんですよ?」

盗賊「そ、そんなこたぁ……」

ハーピー女「それに私達も盗賊です」

盗賊「はぁ?」

ハーピー女「先ほど食べたものにしても私達は虫の命を盗んで生きています。生きるために盗んでるのです」

盗賊「……」

ハーピー女「ですが、相手もこちらを針で刺したり抵抗はしてきますよ?ですから」

盗賊「な、なんだよ……」

ハーピー女「あなたが我々から何かを盗むというのであれば、私達も針で刺さなければなりません」

80: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 06:51:49.30 ID:m4OlrUcOo
盗賊「……」

ハーピー女「あなたは今生きるために私の命を盗むことが必要ですか?」

盗賊「あー、もう!満腹だよ満腹!」

ハーピー女「ふふふっ」

盗賊「ご馳走様でしたっと。けーっ!」

プイッ

少女「あっ、盗賊様待って」

タタタッ

勇者「な、なんかすみません」

ペコッ

魔法使い「盗賊が口で負けたの初めてみたかも」

ハーピー女「いえ、いつ殺されるかとドキドキしてました、ふふふ」

81: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 06:52:33.86 ID:m4OlrUcOo
勇者「いろいろありがとうございました」

ハーピー女「この先の村にもあなたたちのことは話しておきましょう」

勇者「え」

ハーピー女「飢えた旅人が通るので恵んであげてください、と」

勇者「あの、間違ってはないんだけど……間違ってはないんだけど、なんか……」

魔法使い「あたしたちって……」

ハーピー女「あと魔王城に行くとかいってましたけど……」

魔法使い「え、えっと、それは……」

ハーピー女「安心してください。別に止めませんから」

82: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 18:48:50.30 ID:m4OlrUcOo
魔法使い「え?」

ハーピー女「魔王城は今機能していないって言ってもいい状態みたいですから」

魔法使い「それはどういう……」

ハーピー女「それ以上は秘密です。ふふっ」

魔法使い「行ってみれば分かるってことね」

僧侶「……」

モグモグ

勇者「あ、お前それは……」

僧侶「非常食……もらった」

モグモグ

勇者「今食うなよ!」

83: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 18:49:30.59 ID:m4OlrUcOo
タッタッタ

少女「いたいたー」

盗賊「何だよ、こっちくんじゃねー」

グスッ

少女「泣いてるの?」

盗賊「泣いてねーよ。うっせー」

少女「……」

ギュッ

盗賊「こっちくんなっつってんだろ」

少女「もう私盗賊様のものですから」

84: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 18:50:17.08 ID:m4OlrUcOo
盗賊「まだいってんのかよ」

少女「盗んじゃいましょうよ」

盗賊「はぁ?」

少女「盗むんでしょ。平和も何もかも」

盗賊「あれは……」

少女「違うの?」

盗賊「……」

少女「誰かを平和にするための盗みをやるってことなんでしょ?」

盗賊「あーもう!うぜー!盗んでやるぜ!平和だろうが城だろうが国だろうがな!そして……」

少女「そして?」

盗賊「」

85: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 18:51:05.76 ID:m4OlrUcOo
―――ゴブリンの村

ゴブリン女将「ほらっお食べ」

勇者「ありやとやす!ありやとやす!」

ゴブリン女将「かわいそうにねぇ……このご時勢で飢えるなんて……」

勇者「うううっ……」

ゴブリン女将「泣くほどつらかったのかい。そうかいそうか」

勇者「くっ、くそぅ……」

ゴブリン女将「どうだい?あたしのうちに来ないかい?飢えたりなんかさせないしさ……」

勇者「え゛」

ゴブリン女将「あんたいい男だし……///」

勇者「な、仲間がまってるんで!食料ありがとうございました!」

ダダダッ

ゴブリン女将「あっ、ちょっと待って……///」

86: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 18:51:43.67 ID:m4OlrUcOo
勇者「変な噂流しやがって……もう俺のプライドはズタズタだ……」

魔法使い「よしよし、よくやったよくやったわ」

ナデナデ

僧侶「もう勇者のライフポイントは0よ……」

盗賊「楽でいいじゃねーか。戦わなくていいしよー、なーっ」

少女「ねーっ」

勇者「ぶっとばしてぇ……こいつら……」

僧侶「……」

モグモグ

87: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 18:52:30.81 ID:m4OlrUcOo
勇者「物乞いみたいなのはもういやだ!」

魔法使い「飢えたほうがいいの?」

勇者「それはもっと嫌だ……」

魔法使い「贅沢は敵よ」

僧侶「贅沢は素敵……」

モグモグ

魔法使い「でも全然軍隊もないし、魔物の村って言っても普通ね」

勇者「まぁ、俺達のこと知らせておいてくれたおかげもあるだろうけどな」

魔法使い「もしかして魔王も話せばわかるかも?」

盗賊「それはねーだろーな」

魔法使い「え」

盗賊「人間を襲う魔物もいる。それを野放しにしてんだ。和平求めてるわけがねー」

少女「盗賊様……」

88: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 18:53:10.49 ID:m4OlrUcOo
盗賊「悪い奴ばっかじゃあねーんだろうがな……けっ!」

少女「あはっ」

魔法使い「で、ちょっと問題なんだけど……」

勇者「何?」

魔法使い「もうすぐ魔王城なんだけどね」

勇者「魔王との戦いの話?」

魔法使い「じゃなくて……魔王城まで歩いて7日はかかるらしいの」

勇者「げっ」

魔法使い「で、分かるでしょ?」

勇者「食料がねー!!!」

魔法使い「どうする?」

勇者「こ、ここで奪って……いや、黙って拝借して……」

盗賊「させねーよ?」

ジャキンッ

勇者「じょ、冗談だよ」

89: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 18:54:10.59 ID:m4OlrUcOo
魔法使い「盗賊がそんなこと言うなんて珍しいわね」

僧侶「珍プレー……?」

盗賊「そ、そんなんじゃねーよ」

勇者「7日か……いけるか?」

盗賊「だいじょうぶだいじょうぶ!水はあるからな」

魔法使い「あとはそれで魔王に勝てるかどうか……ね」

盗賊「力が出なければ食うだけだからな」

魔法使い「な、何を!?」

勇者「飢えた力を見せてやるか」

魔法使い「だから何を!?」

僧侶「じゅるりっ」

魔法使い「だから何を食べるの!?」

90: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 19:22:07.60 ID:m4OlrUcOo
―――魔王城前

勇者「ぐるるるるる……はぁはぁ」

グーッ

盗賊「肉……肉ぅ……」

モミモミ

少女「盗賊様///それ胸です……」

盗賊「はぁはぁ……幻覚か……」

僧侶「自爆魔法発動……」

ゴゴゴゴゴッ

魔法使い「し、しっかりして!」

バンバンッ

僧侶「はっ……」

キョロキョロ

魔法使い「あたしも空腹でおかしくなりたい……」

91: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 19:23:52.77 ID:m4OlrUcOo
魔法使い「でも7日も食べてないと流石に……」

フラフラッ

勇者「ぐるるるるるぅ!いた!あれか!あれ食べる!門番!」

魔法使い「ちょっ!勇者!」

僧侶「あいあいさー……」

フラフラッ

盗賊「腹の音が……」

グゴゴゴゴゴゴゴゴー

92: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 19:24:31.38 ID:m4OlrUcOo
門番「ふぁー。暇だなー……んっ?何の音だ?」

グゴゴゴゴゴゴゴゴーーー!

門番「うるさいなぁ」

ガバァ

勇者「グオオオオオオオオオオオオン!」

門番「ぎゃっ!ば、化物!?」

僧侶「ワタシ オマエ マルカジリ……」

門番「ひいいいいいい!」

93: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 19:26:33.25 ID:m4OlrUcOo
勇者「グアウ!」

ガブゥ

門番「いたー……くない?」

勇者「がぶがぶっ」

ガチガチ

門番「お、おい、そこ鎧……」

僧侶「がぶがぶっ」

ガチガチッ

門番「いい加減に……って歯型ついてるし!」

94: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 19:28:13.19 ID:m4OlrUcOo
ダダダッ

魔法使い「はぁはぁ……正気にもどりなさい」

ガンガンッ

勇者「あたっ」

僧侶「酷い……」

門番「お前たちは……!?」

魔法使い「やばっ、ばれた!?」

門番「不死族の方っすか?」

95: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/25(金) 19:29:07.34 ID:m4OlrUcOo
魔法使い「え」

門番「いやぁ、相変わらずガリガリっすねー。ゾンビって」

魔法使い「え?え?ゾンビ?あ、あたし達痩せすぎて……」

勇者「あ、俺ゾンビっす。あと勇者っす」

僧侶「僧侶っす……」

盗賊「ほんと仲いいな……お前ら……ぜぃぜぃ」

少女「待って下さい……」

フラフラッ

門番「は?」

魔法使い「じょ、冗談よ!あ、あははは……は」

門番「で、不死族の方が何のようで?」

97: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:26:39.02 ID:9JI61XMZo
魔法使い「ちょっと魔王に……」

門番「魔王様っすか!おねがいしゃーっす!」

魔法使い「いや、まだ何も言ってないけど」

門番「ガツンと言ってやってくださいよ!ほんともう、みんな怒ってるんすから」

魔法使い「え、えーっと何に?」

門番「会ってもらえば分かりますから。あ、そこ階段上って左っすよ」

魔法使い「え、あの……」

門番「じゃ、俺仕事があるんで」

魔法使い「ちょっ、まっ」

門番「うっひょー、女の子ゾンビの歯型ゲットっすー。えへへへへー」

僧侶「変態……」

98: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:27:25.84 ID:9JI61XMZo
盗賊「いっちまったぞ、どうするよ」

勇者「どうするって食べ損なったな」

僧侶「残念……」

魔法使い「え゛、ほんとにアレ食べる気だったの?」

勇者「動けるうちに何とか食べ物を……」

フラフラッ

盗賊「そうだな……魔王とかどうでも……」

僧侶「いい……」

グーッ

少女「あの、でも……階段登って左……」

魔法使い「そうよ!魔王をその空腹パワーで……」

少女「……から美味しそうな香りがしてきます」

魔法使い「ちょっ」

99: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:28:20.96 ID:9JI61XMZo
勇者「ここか」

盗賊「早く開けろよ」

僧侶「肉肉……」

ワクワク

魔法使い「あのさ……あんたたち魔王と戦うって分かってる?」

勇者「ああ、もうよだれが……じゅるり」

盗賊「うめぇかな?うめぇだろうなー」

僧侶「肉肉……」

少女「こ、怖い……」

勇者「行くぞ!」

ガチャッ

魔王「……」

ピコピコ

勇者「豚?」

100: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:29:08.05 ID:9JI61XMZo
魔王「……」

バリボリッ

魔王「……」

ピコピコッ

勇者「豚がゲームしてる?」

盗賊「いや、ただのデブゃね?」

僧侶「焼く……?蒸す……?」

魔法深い「あ、あのー……」

魔王「……」

バリボリッ

ピコピコ

101: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:29:52.30 ID:9JI61XMZo
勇者「無視するなよ」

盗賊「菓子くってんじゃねーよ!デブ!」

僧侶「……」

パリポリッ

勇者「あ、菓子を!」

僧侶「もうない……」

魔王「……」

ピコピコ

魔法使い「おーい、聞いてる?」

側近「いらっしゃいませ」

魔法使い「うわっ!びっくりした」

勇者「いたのか」

僧侶「背後を取られた……」

102: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:34:33.21 ID:9JI61XMZo
側近「これはこれは不死族の皆様……にしては目が死んでませんね?」

盗賊「おい、菓子もうねーのか?」

勇者「一人で食いやがって」

僧侶「もうない……」

パサパサ

勇者「袋もっと見せろ!欠片でもいい!」

側近「まさに獲物を狩る狩人の目……」

魔法使い「そんないいものじゃないと思うんだけど……」

勇者「はけっ!吐き出せ!おい!魔王お前でもいい!じゃないと食っちまうぞ」

魔王「……」

僧侶「ゲームは1日1時間……」

ポチッ

魔王「あああああああああああああああ!」

103: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:35:24.26 ID:9JI61XMZo
魔王「なにするんだ!何するんだよう!」

勇者「お、喋った」

魔王「セーブしてなかったのに!あああああああああああ!」

ジタバタッ

魔王「出てけ出てけええええええ!」

側近「ああ、これはいけません。こちらへ」

グイッ

魔法使い「え?え?」

バタンッ

「ああああああああああああああああああああ!」

勇者「まだ叫んでるよ……」

側近「話を聞いてくださいますか?」

104: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:35:59.91 ID:9JI61XMZo
勇者「その前に飯!」

盗賊「じゃねーと食っちまうぞ!」

僧侶「噛まれたい……?」

側近「え、あの……」

勇者「ううううううううううう!」

盗賊「ぐるるるるるるる!」

僧侶「わん……」

少女「ステイ」

魔法使い「あ、あの……食事をいただけたらうれしいなぁ……なんて」

側近「わ、分かりました」

105: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:36:39.19 ID:9JI61XMZo
―――食堂

側近「どうぞ、空腹のようですので食べきれない程用意させました」

ズラーッ

勇者「ば……」

側近「?」

勇者「馬鹿野郎!!」

ガッ

側近「ぎゃっ!」

ドテッ

側近「な、なんで殴るんですか」

勇者「食べきれない程だと!?ふざけんな!余ったらどうすんだよ!」

側近「え、残飯に……」

勇者「食べ物粗末にするんじゃねえ!」

ガッ

側近「あたっ、またぶった」

106: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:37:15.01 ID:9JI61XMZo
勇者「世の中には……食いたくても食えないやつがいるんだぞ……」

プルプル

側近「そ、そうですか」

勇者「俺みたいにな!」

側近「あ、あなたですか!?」

勇者「だから食い物には感謝しないといけないんだよ!」

側近「わ、わかりました」

勇者「よし!じゃあみんな食べ物に感謝していただくぞ!」

盗賊「おうよ」

僧侶「……」

コクコク

少女「はい」

『いただきます!!』

魔法使い「なにこれ……」

107: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:37:40.19 ID:9JI61XMZo
勇者「ふぅ……食った食った」

盗賊「げっぷ」

魔法使い「美味しかったわね」

側近「結局全部食べてるし……」

僧侶「おかわり……」

側近「もうありません」

僧侶「……」

カプッ

側近「噛まないでください……」

108: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:54:23.82 ID:9JI61XMZo
側近「それで話ですが……」

勇者「え?なんだっけ?」

盗賊「っつーかこいつ誰?」

少女「妻です」

盗賊「おめーじゃねーよ」

僧侶「ここはどこ……?わたしは誰……?」

側近「え」

勇者「何日か前から記憶が途切れ途切れで……」

盗賊「あー、俺も俺も」

側近「なにこの人達!?」

魔法使い「あー、もう、話はあたしが聞くから」

109: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 04:55:08.00 ID:9JI61XMZo
側近「魔王様のことなんですが……」

魔法使い「あの太った?」

側近「ええ……」

勇者「あっ、思い出した。いたいたなんか暗い豚がいた」

僧侶「紅の豚に似てる……」

魔法使い「ちょっと黙っててくんない?」

勇者「へいへい」

僧侶「……」

コクコク

魔法使い「で、その豚がデブなんだっけ?」

側近「魔王様です!」

111: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 11:54:06.75 ID:9JI61XMZo
魔法使い「で、その魔王がなんであんな感じなの?」

側近「引きこもりというやつでして……お恥ずかしい」

魔法使い「出てこないの?」

側近「ええ、もう一日ゲームとお菓子ばかりで……」

魔法使い「でも魔王なんでしょ?」

側近「いえ、魔王としての仕事も放棄されて……」

魔法使い「どうしてこうなったの?」

側近「前魔王様が亡くなって今の魔王様が即位されたのですが……」

勇者「あ、それ俺のおやじが殺したやつじゃね?」

盗賊「そうなのか?」

勇者「なんとかストラッシュで倒したとかなんとか」

僧侶「おやじストラッシュ……」

魔法使い「だから入って来ないで!」

112: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 11:54:56.49 ID:9JI61XMZo
側近「え、えっと今のは……?」

魔法使い「あー、気にしないで続けて。あは……は」

側近「魔王様はまだその当時幼く、後見人がついたのですが……」

魔法使い「悪いひとだったと」

側近「ええ、魔王様を利用できるだけ利用して、まとまったお金を持ってトンズラしてしまいました……」

魔法使い「うわぁ……」

側近「それ以来魔王様は心を閉ざしてしまって……うううっ」

勇者「だからって職務放棄はないだろ」

盗賊「魔物が好き勝手暴られたんじゃ困っちまうだろ、なぁ、おい?」

少女「私の村もそれで……」

僧侶「……」

コクコクッ

113: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 11:55:40.27 ID:9JI61XMZo
勇者「なるほど、分かった!」

魔法使い「え」

勇者「全部魔王が原因だ」

勇者「魔物が暴れるのも」

勇者「ドラゴンに殺されかけたのも」

勇者「俺達に金がないのも」

勇者「食い物に困るのも」

勇者「俺が全然モテないのも」

勇者「おやじが浮気して帰ってこないのも」

勇者「全部魔王が悪いってことだな!」

僧侶「……」

コクコクッ

魔法使い「最後の方違う!」

114: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 11:56:17.19 ID:9JI61XMZo
魔法使い「他の誰かが魔王を代わろうとかしなかったの?」

側近「誰も彼も面倒がって……」

魔法使い「で、魔王はああやっているだけの存在になっちゃったのね」

側近「ええ……お恥ずかしい」

魔法使い「あなたが代わってあげればよかったんじゃないの?」

側近「いえいえ、とても私などでは……」

魔法使い「お似合いだと思うんだけど……」

勇者「待て。魔法使い」

魔法使い「だから黙っててくれない?勇者」

勇者「俺でも傷つくぞ……」

魔法使い「なによ」

勇者「魔王の代わりがいればいいんだろ?」

側近「そうですが……」

勇者「よし!俺がやる!」

115: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 11:56:48.80 ID:9JI61XMZo
盗賊「何言ってんだ?お前」

勇者「もう俺がやってやるしかねーだろ?」

僧侶「いいえ、私が……」

盗賊「人間が魔王とかマジで何いってんだよ、あ?」

少女「いや、私が……」

魔法使い「ほんと何を……」

勇者「……」

パチッパチッ

魔法使い「ウィンク?あ……」

魔法使い「あたしが魔王やろうかなー」

盗賊「おめーら馬鹿なこといってんじゃねーよ。そんなんなら俺が……」

『どうぞどうぞ』

116: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 11:57:36.38 ID:9JI61XMZo
側近「お笑い芸人の方々でしたか……?」

魔法使い「確かに盗賊ならぴったりかもねー」

盗賊「何をおめーら……」

勇者「なんせ世界を盗んでやるんでやるんだもんな」

盗賊「な゛……てめぇまさかあの時聞いて……」

勇者「お前のために世界を盗んでやるぜ!」

僧侶「盗賊様……ポッ」

勇者「あははははははは」

僧侶「ぷすすっ……」

少女「まぁ///」

盗賊「てめぇら……命捨てる覚悟はあるんだろうなぁ、え?」

ジャキンッ

勇者「ちょっ、生きるためにしか殺さなくしたんじゃ……」

盗賊「骨まで食ってやんよ!!!」

117: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 11:58:27.30 ID:9JI61XMZo
勇者「酷い……本当に斬りつけやがった……いつつ」

魔法使い「あれは勇者が悪いわ」

勇者「だって、リア充で王様になるとかムカつかない?」

僧侶「……」

コクコクッ

魔法使い「わ、分かる、分かるけどさ……なんかそれ情けなくない?」

勇者「言うな……男にはやるしかないって時があるものなんだ」

118: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 11:59:18.40 ID:9JI61XMZo
魔法使い「は?あれがその時ってこと?」

勇者「男にはやるしかないって時があるものなんだ」

魔法使い「なんで2回言ったし」

魔法使い「まぁ、結局魔王やるって言ったんだからいいじゃない、側近も喜んでたし」

勇者「あとは……こいつだな」

バタンッ

勇者「おい!」

魔王「……」

ピコピコッ

勇者「おい、そこの過食症」

魔王「……」

119: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 12:00:10.66 ID:9JI61XMZo
勇者「よいしょっと」

ガシッ

勇者「魔王ゲットだぜ」

魔王「何をするー貴様らー」

ブラブラッ

勇者「俺達と一緒に来るんだよ」

魔王「やだ!離せ!」

ブンッ

120: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 12:00:54.77 ID:9JI61XMZo
勇者「おっ、やろうってのか?だけど……てぃ」

ガッ

魔王「あうっ」

ドテッ

勇者「その体型で勝てるつもりか?」

魔王「この!この!」

ブンブンッ

勇者「遅い!この飢えて無駄に痩せすぎた俺に追いつけるとでも思っているのか」

121: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 12:02:48.21 ID:9JI61XMZo
魔法使い「飢えてってのがかっこよくないんだけど……」

勇者「勝ちたかったらやせてみろ」

ズルズルッ

魔王「く、くそぅ」

魔法使い「で、どうするの?その子」

僧侶「丸焼き……?」

勇者「王国まで連れて行こう」

魔法使い「え」

勇者「仕事の報告しに行かないとな」

魔法使い「で、でも……それに戻る資金は……あ、側近にお願いすればいいかな?」

勇者「いや、このまま行こう」

魔法使い「え?」

勇者「おい、魔王。木の皮や泥水で飢えをしのいだことあるか?」

魔王「ひっ……」

122: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 12:03:17.36 ID:9JI61XMZo
勇者「虫を探して地面を掘り返したことあるか?なぁ、おい」

魔王「や、やだ……助け……」

魔法使い「あ、あたしたちもまたアレ繰り返すの……!?」

勇者「なーに、今度はこんなに太った非常食があるんだから大丈夫だって」

僧侶「……」

コクコク

魔王「た、助けてえええええええええええええ!」

123: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 12:03:53.28 ID:9JI61XMZo
―――玉座

盗賊「くっそー、あいつら面倒なこと押し付けやがって……」

盗賊「あれだけ斬りつけてやったのに生きてやがる。しぶとすぎだっつーの」

盗賊「あんで親父やお袋殺した魔物の王様やらなきゃいけねーんだよ、くそ!」

少女「でも結局引き受けちゃったね」

盗賊「けっ!」

少女「目が綺麗だったから」

盗賊「あ?何言ってんだてめぇ」

少女「目が綺麗だったから好きになったの」

盗賊「お、おめーの目腐ってんじゃねーの!?な、何言ってんだよ突然」

少女「ふふっ」

側近「あのー、イチャイチャしてないで仕事を……」

124: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 12:04:43.63 ID:9JI61XMZo
盗賊「イチャイチャなんてしてねーつの!」

側近「それで仕事……」

盗賊「わーってるよ!まず暴れてる魔物の情報を集めてこい」

側近「はっ、それで対処は……」

盗賊「それは俺のほうでやる」

側近「いえ、こちらにも軍はあるので……指示していただければそちらで……」

盗賊「いいっつーの。少しは使ってやらねーと気がおさまらねー」

側近「はぁ……」

盗賊「あの野郎……なんで勇者が魔王軍に入ってんだよ、ばっかじゃねーの」

125: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 12:05:15.60 ID:9JI61XMZo
―――王国郊外

魔王「ひもじい……」

勇者「はぁ……はぁ……どうだ……食い物の大切さが分かったか」

魔王「うぅ……人間は冷たいな……なかなか食べ物を分けてくれん」

勇者「いい奴ばかりじゃなないけど悪いやつばかりじゃねーよ」

フラフラ

魔法使い「も、もうすぐよ……」

僧侶「……」

モグモグ

勇者「おい、何食ってんだ……」

僧侶「へそくり……」

魔王「ぐるるるる」

僧侶「欲しい……?」

126: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 12:06:07.27 ID:9JI61XMZo
魔王「く、くれるのか?」

僧侶「お手……」

スッ

魔王「……」

ポンッ

僧侶「……」

ゴクンッ

僧侶「もうない……」

魔王「……」

バタッ

勇者「あ、気を失った」

魔法使い「僧侶……今のはちょっとかわいそうじゃ……」

127: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 12:08:01.76 ID:9JI61XMZo
勇者「しかしこいつもやせたなぁ」

魔法使い「まぁ食べたり食べなかったり食べなかったりしてたらね……」

僧侶「非常食失格……」

勇者「じゃあ魔王が起きる前に王城までいくとするか」

魔法使い「そうね」

グーッ

勇者「あ!そういえば僧侶お前また食料くすねてやがったな!」

僧侶「ここはどこ……私は誰……」

勇者「今度食べ物奪ったら……」

ゴゴゴゴゴゴ

魔法使い「僧侶!あ、謝っておいた方が……」

僧侶「これ……」

スッ

魔法使い「なにこれ?石ころ?」

僧侶「舐めてると食べた気になる……」

魔法使い「食べたふりってこと?」

僧侶「……」

コクコク

勇者「ご、ごめんなさい」

ペコッ

僧侶「許す……」ナデナデ

魔法使い「勇者よわっ!」

130: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 15:14:08.01 ID:9JI61XMZo
―――王城前

勇者「着いた……」

魔法使い「本当に……着いたわ……長かった……帰ってこれるなんて思わなかった……」ウルッ

僧侶「感無量……」

魔王「ううっ……ひもじい……ご飯……」グー

魔法使い「あーあー、この子も何とか生きて来られたわね」

魔王「ううっ……」フラフラ

魔法使い「あんなに太ってたのにやせちゃって。痩せると結構かわいいのね」

勇者「おい、こんな子供に手出すなよ?」

僧侶「ショタコン発見……」

魔法使い「ちがっ、そんなこと言ってないでしょ!」ワタワタ

勇者「冗談だろ、なに慌ててんだよ」

僧侶「わたわた……」

魔王「ひもじい……」グー

勇者「たぶん中で飯くらい食えるからちょっと我慢しとけ、なっ。死ぬなよ?」

僧侶「死んだら食べちゃう……」

魔王「ひぃ!」ガクガクッ

魔法使い「ちょっと、脅かしすぎよ」

勇者「さすがショタコンさんはお優しい」

僧侶「……」コクコク

魔王使い「このコンビは……」ブルブルッ

131: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 15:37:12.60 ID:9JI61XMZo
兵士「むっ、そこにいるのは誰だ?」ザッ

勇者「おっ、丁度よかった。王様のところまで案内してくれよ」

兵士「は?お前のような怪しい奴を案内できるわけないだろう」

勇者「俺だよ俺、俺俺」

兵士「詐欺師か!?」

勇者「違うって!勇者だよ、勇者!」

兵士「勇者殿?んっ?んーっ?」ジロジロ

勇者「な、なんだよ」

兵士「嘘をつくな!勇者殿はそんなに目が落ち窪んでガリガリでゾンビのようではなかったぞ!」

勇者「いや、これはだな……」

兵士「勇者殿はアホっぽい顔だが精悍な顔をしている!」

勇者「あのアホっぽくはないと思うんだけど……」

兵士「怪しいやつめ!来い!」グイッ

勇者「じゃ、じゃあ王様から貰ったこの書類!これでどうだ」サッ

兵士「むっ……」ジロジロ

兵士「ま……さか……本当に?」

勇者「恥ずかしながら帰ってまいりました」ビシッ

兵士「じゃ、じゃあこっちのガリガリの女の人は……」

魔法使い「魔法使いよ、久しぶりね」

兵士「のぅ!あんなに可愛かったのに!しっと!」ジタンダ

魔法使い「失礼ね!」

132: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 15:41:16.95 ID:9JI61XMZo
兵士「では……あなたが……」

僧侶「……」コクコクッ

兵士「僧侶さんチーッス!お勤めご苦労様でーす!」ペコペコ

魔法使い「何か僧侶に対してだけ態度違うんだけど!?」

兵士「僧侶さんは特別なお方ですので」ビシッ

魔法使い「なんで!?」

僧侶「知らないほうがいいこともある……」

兵士「じゃあこっちが盗賊さんですか?随分ちっこくなっちゃいましたねー」

魔王「ぐるるるるっ」ガブッ

兵士「あいた!噛んだ!?」

勇者「あ、それ盗賊じゃねーよ?魔王」

兵士「へ?魔……王?」

134: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 20:04:31.89 ID:9JI61XMZo
兵士「魔王!?」ズサー

勇者「そんな怖かるなよ。うごけねーから、こいつ」

魔王「ううーっ……」グー

兵士「まさか……魔王を捕らえたのですか」

勇者「んーっ、まぁそうだけど……」

兵士「これはすごい!すぐ王様に報告に上がりましょう!」

兵士「勇者殿が魔王を捕らえて引渡しに来たと!」ダッ

勇者「おい、ちょっと……」

兵士「おーい!みんな聞いてくれー!勇者殿が……」ダダダッ

勇者「誰も引き渡すなんて言ってないんだけどな」

136: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 20:20:29.17 ID:9JI61XMZo
王様「おお!よく戻った!勇者よ!」クッチャクッチャ

王様「魔王を生け捕りにしてくるとはさすがじゃ、はっはっは」クッチャクッチャ

勇者「そうりゃどうも……」

王様「しかし、まぁ、変わったなぁ、はっはっは。おかしな格好しおって」クッチャクッチャ

勇者「いやぁ、おかげさまで、カリッカリですわ、ははは」

王様「はっはっは」クッチャクッチャ

勇者「で、何食ってるんですか?」

王様「ん?これか?ローストチキンじゃよ?」クッチャクッチャ

魔王「肉ー!肉くわせろー!」ジタバタ

勇者「おい、ちょっと待てって」

魔王「がるるるるるっ」グー

王様「おお……さすが魔王、凶暴じゃの」クッチャクッチャ

勇者「ああ、王様、ちょっと聞きたいことがあるんですが」

王様「なんじゃ?何でも聞くがよい。わしは今気分がいいからの、はっはは」クッチャクッチャ

勇者「この王様から貰った書類、冒険の資金がもらえるって奴。使えなかったんですけど」

王様「ははは、そうかそうか」クッチャクッチャ

勇者「お金が泣ければパンも変えないんですけど。ローストチキンうまそうですね」

王様「はっはっは、ローストチキンがなければ満漢全席を食べればよかろう」クッチャクッチャ

魔法使い「この……黙って聞いていればあんたね!」

勇者「まぁ待て、魔法使い」グイッ

魔法使い「でも……これじゃあんまりに……」

勇者「王様、俺、魔王を連れてきたんですけど、別に渡すつもりないですよ?」

王様「は?」キョトン

勇者「ちょっとでも反省するようだったら考えようと思ってたんだけどなぁ」

王様「な、何を言っておる……」

勇者「魔王、腹減ってるだろ?減ってるよなぁ」

魔王「ぎゅるるるるる」グー

僧侶「がるるうるる……」グー

王様「ま、まさか……おい、やめろ……」

勇者「行け!食っちまえ!」

魔王「肉ー!」ダッ

僧侶「肉……肉♪」ダッ

魔法使い「ちょっと僧侶!」

ガツガツッ

魔王「うまっうまっ」

僧侶「美味しい美味しい……」

王様「わしのローストチキンがあああああああああ!」

137: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 20:31:00.73 ID:9JI61XMZo
王様「勇者!お前何をしているのか分かっておるのか」

勇者「あ?」

王様「お前はわしの部下じゃろう!こんなことをしてただですむと……」

勇者「部下?飯も食わしてくれないのに?笑わせんな!」

王様「なっ……」

勇者「それに俺はもうあんたの部下じゃねーしな」

王様「な、何を……」

勇者「今の俺は魔王軍所属だからな」

王様「き、貴様!この魔王に魂を売ったのか!?」

勇者「こいつはもう魔王じゃねーよ。今の魔王はきっと魔王城でイチャイチャしてるんだろうよ」

王様「は?」

勇者「ふふっ、またからかいに行ってやらないとな」

魔王「それ最後の一個!よこせー!」ジタバタ

僧侶「早い者勝ち……」グイグイッ

魔法使い「ちょっと!あたしもおなかすいてるんだけど」ダッ

ワイワイワイッ

勇者「……えっと何だっけ?」

王様「今は新しい魔王がいるってところからじゃ」

勇者「ああ、そうそう」

魔王「あーっ!また食べたー!僧侶ばっか!」

僧侶「もぐもぐ……」ゴクンッ

138: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 20:39:48.32 ID:9JI61XMZo
王様「ちょっとあやつらがうるさいんじゃが……」

勇者「気にしたら負けだ」

魔王「返せー」ムニー

魔法使い「ちょっと、女の子の口こじ開けないの」ポカッ

僧侶「もぐもぐ……」ムニー

勇者「まぁ、要するに俺は新しい魔王の命でここに来たってわけだ」

王様「な、何の目的で……」

勇者「魔王軍としてやることなんて決まってるだろ?」ジャキンッ

王様「ひぃ」

勇者「この国を魔王軍の支配下に置く!」

王様「な……なんじゃと……勇者、お前が王様にでもなる気か!」

勇者「俺が?」

王様「そうじゃろう!魔王の手先に成り下がりおって!目先の利益に釣られたか!」

勇者「俺は王様なんてやらねーよ」

王様「は?」

勇者「おい、ちょっと来い」グイッ

魔王「離せー!お肉ー!」ムニムニ

僧侶「もうふぁい……」ムニー

魔法使い「僧侶、ほっぺた引っ張られぱなしよ……」

勇者「なぁ、魔王、こいつのことどう思う?」

魔王「ん?」

勇者「この王様のことだよ。さっきからの言葉と態度みてどう思った?」

139: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 20:49:05.60 ID:9JI61XMZo
魔王「酷いやつだ!世の中には食べたくても食べられないやつがいるんだぞ!」

魔王「この私みたいにな!」ビシッ

魔法使い「うわぁ……どっかで聞いた台詞」

僧侶「二番煎じ……」

魔王「う、うるさい!本当にそう思ったんだ!」

勇者「んっ、それが分かってればいいな」ポンッ

魔王「?」

勇者「こいつがここの王様だ」

王様「な、なんじゃと!?ふざけるな!」

勇者「少なくともあんたよりはマシだよ」

王様「この反逆者め!皆に命じてお前など……」

勇者「魔王と勇者相手に勝てるとでも?」ジャキンッ

王様「うぐぅ……」

勇者「たぶん殺したりはしないから安心しろ。革命ってやつさ」

140: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/26(土) 20:53:31.46 ID:9JI61XMZo
勇者「さて、王国が支配下に入った」

魔法使い「そうね」

僧侶「……」コクコクッ

勇者「で、だ。今ここで行くところは一つしかないよな?」

魔法使い「またあんたは……」

僧侶「……」コクコクッ

勇者「今までの努力の報われる時……俺はこの時をどれだけ待ったか……」

僧侶「泣ける……」

魔王「何?何?どこにいくのだ?」キョロキョロ

勇者「どこへ?愚問だな。ここで行くところなんて一つしかないだろう」

勇者「それは……」

魔王「それは?」

勇者「食料庫だ!野郎ども!行くぜ!」ダダッ

魔王「おお!」ダッ

僧侶「あいあいさー……」シュパパパパッ

魔法使い「こいつら……でもあたしもお腹すいたわー」ダッ

143: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 08:31:07.84 ID:d4WGA0ipo
勇者「ふぅー、満腹満腹」ポンポン

魔法使い「やっともとの姿に戻れたわね」

僧侶「変身……」

魔法使い「魔王はスリムなままね」

魔王「うん」

勇者「じゃ、この国は任せたぞ?魔王」

魔法使い「困ってる人を助けて上げてね」ポンッ

僧侶「……」コクコク

魔王「え……行ってしまうのか?」ショボーン

勇者「暴れてる魔物達を何とかしないといけないしな」

勇者「それに俺もう魔王軍だし。ほらっ、魔王軍の将軍の階級証もつけてるし」ビシッ

魔王「でも私一人じゃ……」モジモジ

勇者「んー、じゃあ誰か一緒にいてやるか?」

僧侶「……」ジー

魔王「ひぃ!」ヒシッ

魔法使い「ちょっと、何あたしにつかまってるの?僧侶が怖いの?」

魔王「た、食べられちゃう」ガクブル

僧侶「ワタシオマエマルカジリ……」ジュルリ

魔王「わぁー!」ヒシッ

魔法使い「ちょっとやめなさいよ。怖がってるでしょ」

僧侶「冗談……」

魔王「お姉ちゃん……」

魔法使い「え」

魔王「魔法使いのお姉ちゃんがいい……」ヒシッ

魔法使い「うっ///」キュンッ

勇者「おっ、赤くなった」

僧侶「ジュンとした……」

魔法使い「あー、もう!そこ二人うるさい!」

勇者「おー、照れてる照れてる」

僧侶「かわいい……」

魔王「お姉ちゃん……」ウルウル

魔法使い「わ、分かったわよ!魔王の見張り役で残ってあげる!」プイッ

魔王「お姉ちゃん!」パァ

勇者「じゃ、俺と僧侶で行くけど……子供に手出すなよ?魔法使い」

僧侶「……」コクコク

魔法使い「一言多いのよ!あんたたちは!さっさと食料持っていってきなさい!」

144: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 08:59:18.89 ID:d4WGA0ipo
―――山林の村

村長「はぁ……少女は今頃あいつらにあんなことやこんなことをされて……」

村長「うぬぬぬ……」

村長「じゃが魔界へ向かったあいつらを追うわけにもいかん……」

村長「これも村のためじゃ……すまん……少女」

村人「村長!村長ー!!」ドンドンドン

村長「なんじゃ、騒がしいの……」ギィ

村人「魔物が……魔物が出たんだ!この村に向かってるって!」

村長「なんじゃと!?」

村人「ど、どどどどどどどどうするよ、なぁ村長」

村長「わ、わしにそんなこと言われても……」

村人「あんた村長だろ、なんとかしろよ」ユサユサ

村長「はて……あんたどちらさんでしたかいのぅ?」

村人「ボケたふりすんな!ああ、もう駄目だこの村……」

146: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 09:24:18.71 ID:d4WGA0ipo
ゴブリン「次はあの村にするかー」

オーク「ゲヘヘ、殺すのたのちー」

ゴブリン「あんまむちゃすんなよー一応俺達軍属なんだからよー」

オーク「大丈夫大丈夫、魔王なんて名前ばっかだし、げへへ」

ゴブリン「ひひひっ、だなー」

オーク「男は殺して女は犯してから殺すぞぉー、げへへへへへ」

「ま、魔物だーー!」

「ひぃ!に、逃げろー」

ゴブリン「ひひっ、慌ててる慌ててる」

オーク「殺すのたのちみー!げへへ」

勇者「ほー、んで?殺した後どうすんの?食うの?」

オーク「人間なんてまずくて食うわけないだろ、何言ってんだ?」

勇者「そうか、俺は固くて不味そうなお前らでも食っちまうけどな」

僧侶「……」コクコク

オーク「ほんと何言ってんだよ、ゴブリン?」クルッ

ゴブリン「」バタッ

オーク「え」

勇者「食べ物を与えてくれた全てに感謝してな」

オーク「人間!?人間だと……お、俺達が魔王軍としってやってるのか?」

オーク「こ、ここで俺達をやったら魔王様の軍団が……」

勇者「魔王軍?あ、俺達も魔王軍なんだけどさ」キラッ

オーク「そ、それは魔王軍の将軍の……」

勇者「ああ、あと俺勇者だから」

オーク「なっ……なんで魔王軍に勇者が……」

勇者「魔王様の命令に逆らうやつは食っちまっていいと言われている」

僧侶「……」ガブッ

オーク「ぎゃああ!噛み付いた!なにこの女!?」

勇者「どうする?」

オーク「従う!従うから!この女なんとかして!ぎゃああああ!」ジタバタ

勇者「僧侶」ポンポン

僧侶「うーっ……」ガブガブッ

オーク「のおおおおおおおおおおおお!」

勇者「うまい……のか?」チラッ

オーク「そ、そんな目でこっちを見るなぁ」

149: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 09:48:18.44 ID:d4WGA0ipo
勇者「いやぁ、ツッコミ役がいないと好き勝手できて楽しいなぁ」

僧侶「勇者と一緒楽しい……」

勇者「ん?何か言ったか?」

僧侶「……」フルフル

勇者「なんだ?あいつら逃がしちゃったの怒ってるのか?別に食っちまってもよかったんだけどさ」

勇者「あいつらがまた噂流してくれるだろ。魔王軍に従わないとどうなるかをさ」

僧侶「……」グー

勇者「あー、腹減ったなぁ」

僧侶「……」コクコク

勇者「それじゃあ、あの村でご相伴にあずかりますかね、僧侶」

僧侶「……」コクコク

勇者「娘さらった俺達に助けられてどんな顔するんだろうなぁ」ワクワク

僧侶「わくわく……」

151: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 15:13:30.23 ID:d4WGA0ipo
勇者「ふぁっひほかほほふひひほはってほ」モグモグ

僧侶「不味い不味い……」モグモグ

村長「は?」

勇者「ははらふぁっひほかほ」モグモグ

村長「あの……食べながら喋らないでくれないかの……」

勇者「んぐんぐ……」ゴクンッ

勇者「さっきの顔もう一度やってよ」

村長「は?」

勇者「ほげーってやつ……ぷすすっ……」

僧侶「ぷすす……」モグモグ

村長「仲いいのぅ……お主ら……さっき会った時のことは忘れてくだされ」

僧侶「不味い不味い……」モグモグ

勇者「だなー流石年寄りの料理は味が薄い」モグモグ

村長「あの……だったら食べなくても……」

勇者「馬鹿やろう!泥水よりは美味しいぞ、食べ物を粗末にするんじゃない」

僧侶「……」コクコク

村長「そんなもの食べてたのかい……」

勇者「っというわけでこの村は魔王軍の支配化に入りました」

村長「村を救ってくれたことには感謝するがそれは……」

勇者「そういえばドラゴン退治のお礼……」

村長「ギクッ……」

勇者「昔の話蒸し返す?」

村長「わ、分かった……」

勇者「それから村長さんクビになるみたいだよ」

村長「へ?じゃ、じゃがわしの地位は王様から直々に……」

勇者「あ、王様替わったから」

村長「なんじゃと!?」

勇者「新しい村長寄こすらしいよ?あ、セイレーンとかいいんじゃないか?こんな飯よりあいつらの虫料理の方がうまかったなぁ」

僧侶「……」コクコク

村長「む、虫!?」

僧侶「もうない……」チンチーン

村長「茶碗叩かれてももう……どこに入ったんじゃ……あれだけの量」

勇者「なくなっちゃったカー。じゃ、行くかなー」ガタッ

村長「飯食いにきたんかい……ってそれよりうちの孫の話を!」

153: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 15:18:20.51 ID:d4WGA0ipo
勇者「少女ちゃんなら新しい魔王の奥さんになったんじゃないかな?」

村長「魔王の嫁!?」

僧侶「……」フルフル

勇者「あ、結婚してなかっけ。じゃあ同棲か」

村長「同棲!?」

勇者「あいつらイチャイチャしてんだろうなぁ」

僧侶「ラヴラヴ……」

村長「ラヴラヴ!?」

勇者「キャッキャウフフしてんだろうなぁ」

僧侶「一姫二太郎……」

村長「そ、そこまで進んでおるのか……」

勇者「こんな噂してるとくしゃみでもしてるかもな。盗賊の奴」

僧侶「……」コクコク

154: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 15:28:17.31 ID:d4WGA0ipo
―――魔王城

盗賊「はっくしょーい!ちくしょう!」

少女「風邪ですか?」

盗賊「んなことねーよ」

少女「風邪なら食べて元気出さないと。はい、盗賊様。あーんっ」

盗賊「あ?な、なにやってんだよ」

少女「食べさせて差し上げます。ほらっ、あーんっ」

盗賊「やめろ。てめぇいい加減にしとけよ」グイッ

少女「口移しの方がいいですか?んーっ」

盗賊「ってそれ口に何もはいってねーだろ!それじゃただのキ……」

少女「んっ」クイッ

盗賊「目つぶってんじゃねーよ。こ、こんなところ誰かに見られたら……」

少女「盗賊様……んっ」

盗賊「ちっ……あー、もう.……しかたねーなー……」スッ

ギギィ

側近「盗賊様入りますよー」

盗賊「きゃあああああああああああ!」ワタワタ

少女「あら、残念……」

側近「そんなに慌ててどうかなさいましたか?」

盗賊「な、なななななな何でもねーよ」

側近「それより仕事をはやく……」

ゴツンッ

側近「がっ」バタッ

盗賊「側近の頭に石が飛んできた!?」

勇者「ったくいいところで邪魔しやがって」コソコソ

僧侶「目標沈黙……」コソコソ

勇者「よし、盗賊いけ……ブチューっとな」コソコソ

僧侶「……」コクコク

盗賊「カーテンの裏で何やってんだ勇者、こらっ」シャー

155: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 15:44:03.93 ID:d4WGA0ipo
盗賊「てめぇ、いつのまに帰ってきてたんだよ!」

盗賊「ってかさっきのくしゃみはお前らが噂してたんじゃねーのかよ」グイッ

勇者「俺はいつでもお前をからかう事を考えている」キラーン

僧侶「潜入操作……」キラーン

勇者「ちなみに結構から潜入している」

僧侶「……」コクコク

勇者「少女と同じベッドに離れて恥ずかしそうに入る盗賊……」

僧侶「少女かわいそう……」

盗賊「しらねーけど、ベッドが二人で一つしかねーんだよ!ってかお前ら覗いてたの!?」

勇者「少女に目覚めのキスをされそうになって慌てて逃げる盗賊……」

僧侶「少女かわいそう……」

盗賊「俺のほうがかわいそうだわ!」

勇者「少女のいない間に部屋で……」

盗賊「おわー!てめぇ勇者!それ以上喋ったらマジ殺すぞ」ギランッ

勇者「ははは、怒った怒った。逃げろーい。おっと側近忘れてくところだった」ズルズル

側近「」

僧侶「ひゃっはー……」タタタ

156: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 16:03:22.06 ID:d4WGA0ipo
盗賊「ったくあいつらは……」

少女「……」

盗賊「……」

少女「盗賊様は私のこと嫌いですか……?」

盗賊「嫌いってお前……そりゃ……」

少女「……」ウルウル

盗賊「あー、もう、あいつらまた見てんじゃねーだろうなー」キョロキョロ

盗賊「嫌いなわけねーだろ」

少女「じゃあなんで避けるんですか……」

盗賊「そりゃこんなところにいたらお前が苦労するからだろ、マジで」

少女「え」

盗賊「魔王とかマジで勘弁してくれっての。この先どうなるかもわかんねーのに、俺のそばにいたら苦労……」

ギュッ

盗賊「ちょっ、くっつくなよ」

少女「苦労……させてください」

盗賊「あ?」

少女「私……盗賊様と一緒に苦労したい」ギュッ

盗賊「ああーーーー!もう!しらねー!」ドンッ

少女「ああ……」トサッ

ギシッ

158: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 16:11:31.00 ID:d4WGA0ipo
勇者「盗賊のやろう、今頃イチャイチャやってるんだろうなぁ。リア充め」

僧侶「……」ツンツン

勇者「魔法使いは可愛くなったショタ魔王とヨロシクやってるんだろうなぁ。リア充め」

僧侶「……」ツンツン

勇者「リア充爆発しろー……しろー……しろー……」

僧侶「……」ツンツン

勇者「ん?何?」

僧侶「勇者もリア充……」

勇者「え?俺が?どこが?」

勇者「暴れまわってる魔物は大体静かになったけどさ、まだやることいっぱいあるしなぁ」

勇者「俺がリア充になる日は来るのだろうか」ショボン

僧侶「……」ツンツン

勇者「何?」

僧侶「勇者もリア充……」

勇者「……」クルッ

勇者「あー、盗賊のやつまたからかってこようかなぁ」

僧侶「……」イライラ

159: ◆IZLwGhF6Cg 2012/05/27(日) 16:17:55.20 ID:d4WGA0ipo
僧侶「はむっ……」カプッ

勇者「ちょっ!なんで首筋噛むの!?って痛くない……甘噛み!?」

僧侶「はむっ……」カプッ

勇者「なんで頬っぺた噛むの!?俺美味しくないよ?」

僧侶「……」ギュッ

勇者「わっ」

僧侶「はむっ……」カプッ

勇者「唇噛まれた……」

僧侶「んっ……」チュッ

勇者「んんっ!?」

僧侶「んっんっ……」チュッチュッ

勇者「んーーーっ!」

勇者「ぷはぁ……」

僧侶「ひもじい……///?」カー

勇者「お腹いっぱいです///」

 

おしまい

160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/27(日) 16:20:01.43 ID:IT/EHEw+o
ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおつ

161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/27(日) 16:22:39.27 ID:QpRIIaMIo
勇者「ひもじい……」-01

おつ

164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/27(日) 18:08:14.06 ID:rXwPpgH4o
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおつううううううううううううううううううううううううう
僧侶ちゃん√でよかった!
僧侶ちゃんprpr

166: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/28(月) 16:32:05.38 ID:kbsIn0q3o
ふおおおおおおおおおおおおおつ

168: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/05/29(火) 12:18:13.78 ID:Ub4j1GRv0
僧侶ちゃん最高でした!乙

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